心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2005年12月07日(水) 女性の仲間の1年のバースディ・ミーティングでし...

女性の仲間の1年のバースディ・ミーティングでした。なごやかな雰囲気のミーティングでした。
彼女は活動範囲が広いので(僕なんかよりずーっと広いので)、遠くからも仲間がやってきました。
群馬からやってきた仲間に、「○.○.の家族から年賀欠礼の葉書をもらってさ、5月だって言うのに何も知らなかったからびっくりしたよ」と伝えたら、彼はその人の死を知りませんでした。「5月というと○○じゃなくて?」と言われてこっちもびっくりです。
「そのうち様子を見に行こうと思っていたんだけど、そうだったとはねぇ」
「啼鳥山荘のあのころのメンバーというと○.○.も去年亡くなったよ」
携帯電話の電話帳から一度に3人も削除することになるとは。
最近のAAは底が浅くなって、人が死ななくなった、なんてうそぶいていましたが、とんでもないです。
そして、やっぱり人の死に対してシンパシーを抱けない、冷徹な自分を発見するのでした(これは大きな欠点ですね)。

ある人が言っていました。「山岳会とAAには共通点がひとつある。それは人の死がありふれたニュースであることだ」。

バースディ・ミーティングの会場で、コーヒーをセルフサービスで入れながら立ち話をしただけで、それだけで終わってしまうのであります。そりゃその人のホームグループでは、しんみりとした話題にもなっただろうし、ミーティングの前には黙祷も行われたでしょう。でも僕らは「死んだ人のリスト」に彼らの名前を加えて、あとはまた同じことを繰り返していくだけなのであります。

アルコホーリクの平均寿命は55才とも52才とも言われます。「それは飲んでいればという条件付きだろう」という言葉が聞こえてきそうです。でも、日本人男性の平均寿命まで生きるアルコホーリクがどれだけいるのだろうかと思うのであります。

まさに「今日一日」、「毎日の執行猶予」なんだなあと思い直した次第です。
仲間に感謝。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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