心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2003年08月28日(木) 仲間が増えない?

もし、あなたがビッグブック(「アルコホーリクス・アノニマス」)をお持ちなら、xxivページ(文庫版では16ページ)を開いて読んでみていただきたい。1955年当時のAAの様子が描写されています。
そこには

・AAにやってきて残った人の50%はすぐに酒が止まり、残りの25%はスリップを繰り返したものの酒が止まった。残りの25%にも改善があった。
・来なくなってしまった人の3分の2は、後になって戻ってきた。

と書かれています。はたしてこのことが、今の日本のAAに当てはまるでしょうか。
答えは「ノー」でしょう。75%の回復率を成し遂げているグループが日本のどこにあるのでしょう。そして、去っていった人のほとんどは(いまのところ)戻ってきてはいません。
本来だったら、どんどん増えているはずのAAメンバーが、この十年間で数百人しか増えていません。どこへ行っても「仲間が増えない」という悩みばかりが共通です。

なぜ仲間が増えないのか? ということに関して、いろいろなことが取りざたされましたが、よい改善案が実行され、仲間が増えたという話は聞いたことがありません(増えてもまた減ったという話は聞くけど)。

結論から言ってしまうと、1940年代〜50年代にアメリカで大量のメンバーを生み出したAAプログラムと、現在の日本のAAのプログラムが「根本的に違っている」ではないかと言いたいのです。
ビッグブックを中心に、12のステップを個人的に分かち合うのがスポンサーシップであり、そこでは霊性というものが大切にされたのが、もともとのAAプログラムだったとするならば、現在のAAはミーティング中心で、「ともかくミーティングに出なさい」と言うばかりです。
本来12ステップのリード役であったはずのスポンサーが、スポンシーの生活のこまごましたことにまで口を出すようになり、ステップの分かち合いはもちろん霊的な目覚めについての話ができないでいるのです(僕も出来ないけれどね)。

1年未満でAAを去っていく人たちは、ステップといえば難解な本を読むミーティングを数回体験すればよいほうであり、またスポンサーを得る機会もろくに与えられず、何度も出てくる「神」という言葉に不信を抱いたまま放り出されていくに等しいのではないでしょうか。
スリップしてもスリップしてもAAにかじりついてくるような、そんな泥沼を這いまわれる人たちしか助からないのが、いまの日本のAAではないかと思うのです。

実はこの文章は、とある私信の内容に沿ったもので、ここに書いてはマズかったかもしれません。でも、仲間が増えないことへの対策として、これだけしっかりとしたビジョンに初めて出会ったので、その感銘をおもわず書いてしまいました。すみません。

ゼネラルサービスの役割もその期間の3分の1を過ぎました。その役割へのモチベーションを維持するのも大変なのですが、役割が済んだ後に自分が何に取り組んでいくのか、何をやる必要があるのか、おぼろげながらも見えてきた気がします。やはりスピリチャリティというものを大切にしていく必要があるということです。
(珍しく30分以上時間がかかってしまった)。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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