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2001年10月18日(木)    +++感情+++

  ひなが産まれて5ヶ月目頃から ひなは私達と
  毎月1〜2回 そしてここ半年は 毎週おばーちゃんのところへ
  顔を見せに行っていた。

  片言を話すようになってから 老人ホームのおじいちゃんおばあちゃんの
  うつろな目や動きが怖くなり 泣いたり
  行って帰った夜に 夜泣きした事もあった。

  一時期 そんな様子を見て 連れて行くのをやめて行こうかとも
  思ったのだが そんなわけにも行かず そして これも
  ひながどう受け止めるか別にして 大切な人とのかかわりあいだと
  思い いつも連れて行っていた。

  不思議とご老人達は ひなを見ると ぱ〜〜っと顔に表情が
  現れ 笑顔になる。
  小さい子供と 動物は人を癒すと言う事が 目に見えた思いだった。

  おばあちゃんの具合が 一転二転 良くなったり悪くなったり
  している時も 手をさすりながら「風邪が治ると良いねぇ」と
  話しかけていた。

  時々 おばぁちゃんに無意識につねられると
  「ひな 悪い事してないのに き〜〜〜ってされた」と泣き顔に
  なる事もあったが・・・。

  もうすっかり ボケて私のことも 誰だかわからず
  ひなの事も 一度も名前で呼んでくれた事は無く
  一緒に何かして 遊んだわけでもない。

  ひなにとって おばぁちゃんが どんな存在でどう言う風に
  感じていたか問いただすには 彼女は幼すぎて 無理だ。
  でも 聞いて見たいと思う。

  お葬式の日 最後のお別れに お花を棺桶に入れる時
  ひなは泣いた。

  今までの涙。それは 叱られたり 機嫌が悪かったり 自分の思い通りに
  ならなかったり 痛かったり 自分の身に不具合がおきた時の物が
  ほとんどであったろう。

  私はひなを抱きつつ 妹や母が泣いているからつられて泣いているのかと
  思っていた。

  ひなが言った。「おばぁちゃんが いなくなったらさみしい。」と・・・。
  そして ぽろぽろこぼした涙は おばぁちゃんの旅立ちの着物の上に
  落ちた。

  火葬場へ行くタクシーの中 ひなは泣きつづけた。
  「おばぁちゃん一人でかわいそう。おばぁちゃんいなくなって淋しい。」
  そう つぶやきながら泣きつづけるひなに 誰も 何も言えなかった。

  一緒に住んでいなくても 一緒に食事した事なくても
  一度も名前を呼んでもらえなくても
  3年間 逢いに行った事は ひなの胸に刻み付けられ
  新たな感情を 生まれさせてくれた。

  毎日「おばぁちゃんにご飯持って行くね。」と母と仏壇に向かう姿に
  私は 考えさせられ 見習わないとと 反省する・・・。






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