makoのときどき日記
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2002年05月04日(土) 読書日記「ブラウニーズ・ティールーム」


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尾花ゆきみ著「ブラウニーズ・ティールーム」(出版工房原生林刊)という本を読みました。この著者の本は「水花姫」、「海の星」(「水花姫」の続編)と読んでいたので、この本も図書館で借りてみたのです。前の2冊は私小説という感じでしたが、この「ブラウニーズ・ティールーム」は4編(内2話は連作)からなる短編集で、今までと少し感じが違い、ちょっとファンタジックな部分を持ったストーリーでした。
どの話も、生きることにちょっと不器用な音楽好きの登場人物が描かれているのですが、ちょっと不思議で何だか切ない読後感。特にすごく面白いというわけではないんですが・・・(ゴメンナサイ^_^;)、どれも読んだ後に余韻が残る感じのお話です。

1話目の「桃ドロボウ」は、近所の空家を隠れ家にしていた小学生の女の子が、ある日そこに越して来た男の人と知り合い、レコードの音楽が流れる中での交流が始まり・・・という話し。「1999年の夏」、「2000年の夏」は同じ音楽(グループ)が好きだったことがきっかけで、つきあうことになったカップルのお話。「ブラウニーズ・ティールーム」は恋人と別れたばかりで、まだ彼を忘れられていない主人公がコーヒーショップで偶然出会った老人に、今まで聞いたこともなかったティールームの話を聞いて、一緒にそこへ行くことになり・・・というお話。
私としては、最後の「ブラウニーズ・ティールーム」が一番おもしろかったです。「不思議の国のアリス」にイメージが重なるところがある話しなのですが、出てくるティールームが魅力的で、そんなティールームに行ってみたいなぁ(紅茶好きなので♪)・・・なんて思いながら読みました。他には、モチーフとしてレメディオス・バロという画家の絵が出てくるのですが、結構好きな画家だったので、それもちょっと嬉しかったです。スペインの女性画家なのですが、なんだか不思議な感じのする魅力的な絵を描いた人です。いざ画集を買おうとしたら、絶版になってしまっていて悲しい思いをしました。もう手に入らないのかなぁ・・・?


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