kakera


微かな kakera 引き合い重なる…偶然か必然か
夢か現か 吉か凶か

2010年09月11日(土) 『ドブネブズミのバラード』

 一般的ではない、短編映画作品です。
 残暑厳しい、9月も10日を過ぎてからの公開。唯一の(!?)公開劇場へ出向いた。

 原作者の自伝フィルムであるらしい。
 公開劇場も東京の下北沢にある 下北沢トリウッド なる場所。
 主演:松田悟志 といっているから、出かけてきたよ!!
 ……それ、どこ?
 幾度か下北沢に出かけているが、そんな場所、あったかな〜?

 ……。ありました。
 過去、何べんも通っているのに、思い浮かばなかったよ〜!!この場所。マジで!? こんなところにあったかしら??
 
 原作者は 瓜田純士(ウリタ ジュンシ)であり、この映画は、彼の自伝的小説を映像化!! と 謳っている。

 間違いは無い、と思う。
 1970年代後半、東京都新宿区歌舞伎町で生まれ育ち、周囲の大人は外国企業のマフィアばかり……。
 そんな時代と場所では、日本人らしいかつ子供らしい喜怒哀楽と、生き馬の目を抜く中でのビジネスマンらしい愛別離苦を情感豊かに、成長できたとは考えにくい。
 作品中でのシーンも、あえて不問とするが人間として納得いかんな。そのエネルギーの向け方。そんなシーンがいくつでもある。
 それでも全体を通して、訴えかけるエネルギーには敵わない。
 
 そんなところだろうか。
 頭悪くて文字読めないし〜なんてうそぶっている人ほど、周囲の期待に応えようと頑張り過ぎて精神を打破されてしまう。
 子供ならではの純真さ、単一のエネルギーと、大人のエネルギーの方向性は全く意味合いが違う。
 無知と馬鹿は違うんだ。そんな風に思った。
 
 私自身、東京23区内で育った。中学生くらいのときに新宿歌舞伎町だって出かけた。(ただし昼間。そして世間的にいう健全な場所)
 こういう映画の題材になるシーンなんて、大人になってから数回しかお目にかかったことがない。(それでも十分すぎるくらいらしいが)
 正直、環境よりも周囲を取り巻く人のほうが重大な影響を与えるようだ。自分の周辺に害が及ぶ際には留意しよう。
 いいかげん大人なワタクシだが油断はならない。

 作品は、といえば。
 芝居は、ほとんどモノローグで展開していく為か、他者との絡みは余り無い。良いのか、悪いのか……。

 ただ、時代が変わっても「己を貫き通し友情を守る」これは、かなり難しい世の中でござんす。
 街のアウトローから、人間としてレベルを上げる。あがく為に精一杯、そんなやつらのシャウト。
 告知のコピーも「バラードだ。」とあるが、ワタクシが思うには作品的に「バラッド」ではないかとも思う。

 そして。ワタクシが観ていた上映回に、原作者本人が会場に来ていたらしい。
 そうか。あの、金髪で刺青だらけの人がそうか。見た目怖そうだけど、普通に話せば普通に対応できる人のように見受けられるのに。
 映画のような描かれ方の人物とは、少々違うような気がする。
 本当に本人としても、さすがに若い時分とは違うのかもしれない。
 

 個人的な陳腐な感想としたら……。
 「生きているうちに自分で選択で出来、しかも実行出来て良かったね」


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桜 [MAIL]