2009年03月01日(日) |
何故か参加の『同居バトン』 |
ネット上の遊びで『バトン』なるものがある。 予め決められたお題に、答えていく。という、単純明快で、回答者の人となりも(大まかに)分かってしまう。 時々、検索の途中でひっかかり読むこともある。だが、ワタクシ自身では「参加しないなぁ」という代物。いや、ワタクシという気質が参加しないのよ。うん。 でもね、回ってきちゃった上に、辞退は許されないっていう、かなり強行手段でバトンを渡されてしまった。 しかも、通常の一問一答形式ではなく、小説風に表現する。
はぁ?なんだ、そりゃ?
そう思いつつ、分かったよー書くよぅとブツブツ言ったのが、もう一年前。 年末年始に突付かれ、つい先日も「まだなの?」と催促がきてしまった。
バトンを回してくれた、天祥。そして、事の発端の久住氏、門馬ちゃん、ワタクシから次へ回す事決定の寿々莉さん。 長い間、サボってお待たせして済みませんでした!! バトン好きな方、拾ってってくださいな。
お題は 〜新撰組隊士と同居〜 ワタクシのお相手は、斎藤 一 氏である。 ようやくUPです。ホント、済みませんでした。 なお、ここにはお題のみだけど、このページのカウンター横の[HOMEPAGE]から、序章、終章の付いた完全版(笑)ページへ辿り着けるはず。 では、よろしくどーぞ。
――☆――☆――☆――
■朝はあなたと『斎藤一』、どっちが先に起きてる? 弱々しい携帯電話のアラームが鳴る。手探りで音を止め、10分後のアラームまでもう一眠り。 「……何時まで寝ているのだ?」 あきれたような声色に首だけ起こせば、朝の冷たい空気と同調したような眼差しが、布団越しに突き刺さってくる。 「……何時から起きてたの?まだ、6時15分……」 声の主はとうに身支度整えて、軽く上気したような顔色をしている。 「朝の鍛錬だ」 屋上で何か音がする……夢かと思っていたが、物音はコイツの仕業だったか。 もそもそと布団から這い出し、カーテンと窓を開ける。2回目のアラームが鳴った。
■朝食どっちが作る? 何がいい? パジャマのまま自室を出、台所兼食堂へ向かう。朝食の支度は実母である。親に寄生しているアマちゃんゆえ、起床後2分で朝食だ。 「おはよ〜……」 「ああ、おはよう。桜、あんた、ナニ食べる??」 朝の挨拶に質問を被せてきたのは母親。 昨夜のメニューは煮込みうどんだったようだ。それがまだ、鍋の中にたんまりある。 炊き立てご飯は捨てがたい。でも、うどんも好きだしなあ。0.05秒で返答する。 「どっちも食べる〜♪」自分の茶碗と、丼を手に、起きぬけの自分の腹と相談し、ご飯は軽めに、うどんは普通盛にした。 「斎藤さんは、ご飯?うどん?」 「あ、あぁ。では、飯を」 決して広くは無い台所兼食堂更に、居間でもある狭い部屋では、小さなテレビを付けていて朝のニュースバラエティ番組が流れている。 また、どこかの街で交通事故だの、殺人事件だの毎日毎日、物騒な事ばかり。 「全く、嫌になるねえ。こう毎日死人ばかりの事件とは……」 「…………」
■そろそろ学校(仕事)の時間です。『斎藤一』はどうすると思う? 朝食が終れば、お昼の弁当作りだ。とはいっても、おかずは無く、おにぎりだけを作る。テレビ番組の占いコーナーをチェックしながら、手早く。我ながら、手馴れたもんだ。 歯磨きを済ませ、この時点で、時間は7時ちょうど。 「よしっと。さて、次は……」 「なんだ?出かけるのか?」 食後の茶を飲んでいた斎藤氏、立ち上がる。 「これから仕事に出かけるのだ。で、その為の身支度を整える」
「出かけるのに、こんなに時間が掛かるのか?」 只今、7時20分。ワタクシはまだ、化粧すら済んでいない。世の女性達は化粧の時間が長いのではない。化粧前の土台作りが長いのだ。 「時間が掛かるもんなのよ。でも、あなたが気を揉む事は無いでしょうよ。あなたは出掛けやしないんだし」 「そうだが……しかし……」
暇を持て余している斎藤氏、ワタクシの勤務地や仕事内容について質問してくる。問われるままに答える。 表情の変化が殆ど無いので、興味ある事柄なのかどうかが、さっぱり判らない。 ようやく支度が済んだ。 自室を出、台所兼食堂更に、居間へ戻りお弁当を鞄に突っ込む。 「行ってきまーす!!」 「いってらっしゃーい」 母親の声と、斎藤氏の目礼に送られ、けたたましく家を出た。
■学校(仕事)帰りに『斎藤一』とばったり! 相手の反応は? 就業時間中やたらに忙しかったが、夕方にはストンと落ち着き、ほぼ定時上がりで退社。 勤務先である大型ショッピングセンターと隣接している複合ビルには、あちこちのオフィスから退社する者でエレベーターは大渋滞。 ようやくビルの外へ出ると、「ああ、本当に本日のお仕事終了!!」という晴れやかな気分になる。しかも、明日は休日である。晴れやかさもまた格別である。 最寄り駅までゆるゆると歩きながら、明日の過ごし方を考える。特に出掛ける用事は無いが、かの人をどうしたものかしら?そんな考えに及ぶと晴れやかな気分も束の間……。 どうした訳だ?朝、目礼で見送ってくれた斎藤氏が、駅前にいるではないか。 なんで、こやつが此処に居る!?
朝の幾つかの質問と、家人へ問い合わせてワタクシの仕事先及び最寄り駅が分かったそうだ。 「やる事がなくて暇でな」 道程の八割方は歩いてきたという。残りは? 「せっかくの機会なので電車とやらに乗ってみた」 思っていたより、行動的なのね……。
■家に帰ったけど、あなたはやることがあります。そんな中『斎藤一』はどうすると思う? 帰路を斎藤氏と共にして、周囲の視線には温度が存在する事を体感したワタクシ、ヘロヘロの態で帰宅。 ここ最近の忙しさにかまけて自室はとっ散らかり放題。たまに早く帰ってこられた時には軽く掃除でも……。 床に積み上げた本やらをあっちへどかし、その隙にフローリング用モップで掃き掃除。 「その行動は、なんだ?」 「掃除をしてるんだが」 「……丸く掃くだけで掃除なのか?」 「…………」 ワタクシ流の掃除にただ呆れるばかりの斎藤氏。
■さぁ、夕食にしよう! どっちが作る? 簡単な掃除も終了、お腹がぺこぺこ。さて、夕食は……。 親と同居の気楽な独身(貴族)の為、作っておいてくれたものを温めなおして食事にする。 今回のメニューは、カレーライス。 「カレーライスって食べた事ある?どう、美味しい?」 「まぁ、悪くない」 うん。結構気に入ったようだね。 「すまんが」 「なに?」 「もう一膳いただけまいか」 だいぶ、気に入ったみたい。
■夕食も終わり、テレビに夢中なあなた。『斎藤一』の反応は? お腹も膨れて、さて。テレビでも見ながらゆっくり酒でも呑もうかね。 マイ冷蔵庫から四号瓶の吟醸酒を持ち出し、猪口は二つ――一応、客の斎藤氏にも振舞ってやらねば――今夜のテレビ番組は、興味深いのはあるかしら? 新聞を見るより先に、チャンネルザッピングが主流のワタクシ。 ニュースキャスターの声、CMの印象的であり耳障りでもある多重な音。ドラマの台詞。切り替わり続けている音の中で、うっかり手を止めてしまった。 『近藤さん!!』 数年前に、某テレビ局で放映されていた、ドラマの再放送のようだ。 斎藤氏には馴染み深い名が次々登場する。そろそろと横を見ると、斎藤氏は呆然と画面を見ていた。 「だ、誰だこれは!? なんだ、これは!?」 寡黙で決して取り乱す事無い、礼節を重んじる人物。と、伝えられる斎藤一でも、さすがに混乱しているらしい。 「芝居だよ。新撰組を扱った、芝居」 「……芝居!? 新撰組の!? 何故?」 目をぱちくりして未だ画面を凝視している。突如、画面中央に現れた人物。 『斎藤!』呼びかけられた画面の中の斎藤は近藤さんや土方さんとなにやら話しこみ、芝居は進んでいくが、画面外の斎藤氏は止まったままだ。 「………………」 先ほどまでの慌てぶりは何処へやら、すっかり無表情になっている。いや、色んな感情が濃すぎて表情に表れないのかもしれない。 斎藤氏の目は画面に釘付けだ。ひょっとして結構テレビっ子気質なのかな? 「違う、新撰組ではない……。俺ではない……」 小声で呟く斎藤氏。だから、芝居だってーの!
■なんとお風呂で『斎藤一』と遭遇! どうする? 斎藤氏は依然、画面を凝視している。気に入ったわけではなく、どうも目が離せないって感じらしい。 その間にワタクシは風呂に入ってこようっと。あの番組はあと30分以上は続くはずだから、その間にササッとね!! 普段なら、小一時間は風呂に入っているが、客人の手前、早く済ませて風呂から上がった。 浴室のドアを開け、脱衣所へ。斎藤氏と目が合った。 なんで……!! ワタクシは慌てて浴室へ引っ込み、斎藤氏は後ずさり、 「なんで、あんたが其処に居る!!」 お互いの言葉は見事なハーモニー。 ともかく、風呂場から出なければ、風邪をひいてしまう。 「ちょっと、斎藤さん。しばし脱衣所から出てくれ」 「承知」
身支度を整え、ギクシャクしながら脱衣所を出る。廊下で待機していた斎藤氏。 「知らなかったとはいえ、すまん。弟御が風呂を勧めてくれて」 「いやいや。怒っちゃいないよ。ゆっくり温まってね」 「……しかし」 なにやら言いよどむ斎藤氏。そんなに畏まる事もないのに。不可抗力ってのは判ってるんだから。 「もうすこし、色気がありゃあ、いいんだがなぁ」 な、なにぃ〜!! この、クソガキ!! 「おおう、今夜は冷えるなぁ。寒い寒い」 薄ら笑いを浮かべながら風呂場に入って行く。くっそー、なんだか腹が立つわ!!
■『斎藤一』と一緒に寝ることに! あなたはどうする? 自室に戻り、客用の布団を敷く。 しかし、このお客は何時帰る事が出来るだろう。 どうやってこちらの時代に来てしまったのか、元に戻れるのか、定かでない。 このままこちらに居続けると、きっと本来の世界はおかしくなり、ワタクシたちが知っている『新撰組』にはならず、今まで生きてきたワタクシたちの世界ではなくなってしまう。いやいや。もう既におかしくなってるよ。 以前、我が友人の所にも、新撰組隊士が現れた、とか言ってたし。と、すると。ワタクシのところに斎藤氏が現れたのが、最初ではないって事だ。 こういうの、タイムパラドクスとか言ったっけ。事の大小は判らないけど、絶対おかしくなってるよなぁ。
一息ついて、風呂に入る前に呑んでいた酒瓶を手に取る。空っぽだ。 ガーン!! 殆ど呑んでないワタクシなのに〜。 「いい湯だった。それから、酒も美味かった」 風呂から戻り、上気した顔で満足げな斎藤氏。手には別の壜を持っている。 「階段の下にあった」 マイ冷蔵庫には入らない為、廊下に置いている一升瓶。勝手に持ってきやがって。礼節を重んじるなんてプロフィールは嘘っぱちじゃない!ああ、ワタクシの純米酒。 ええい、色々考えても、どうにもならん。明日は休みだし、呑もうじゃないか!! ワタクシの自室に斎藤氏の布団を敷いたゆえ、もう、空いている床はない。斎藤氏の布団の上が宴席となった。
酔えば思いのほか饒舌な、斎藤氏。ユーモアも有りゆるゆるダラダラと、酒を呑み続け、気づけば今日購入したワインも空けていた。 「寒い……眠い……」 斎藤氏を押しのけて布団にもぐりこむ。自分のベッドはすぐ隣だが、立ち上がるのが面倒だ。 「お、おい。おまえ」 すっかりお休みモードのワタクシ。 「俺が寝る布団だろう。お前はそっちの寝台だろうが」 「じゃあご一緒に」 なにやら言う斎藤氏を枕代わりに引き込んで、「電気を消してくれ」とお願いした。 布団の中からどうやって明かりを消すんだ、と呆れ声が聞こえたがすぐに暗くなった。 寒い寒いと、布団の中にもぐりこんだ背中は温かく、心地よかった。
■お休みなさい。では次に妄想させる人 を何人でも! キャラも指定して下さい!
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