気が付けば、10月はとうに始まっていてすっかり秋の風。金木犀の香りが漂ってくる季節。 風に運ばれてくる香りに引き寄せられて、通ったことのない道をふらりと歩く。ゆらり、ぶらりと気ままに歩く。 辺りはすっかり暗く、闇の中を歩く。街灯も届かない裏路地をゆうるりと歩く。歩いたことのない道だろうが、暗く人気がないからと言って不安がることはない。 金木犀の香りが道案内をしてくれるから。