一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
その9 その頃の、ビリヤードは、どこの店も深夜、三時ゴロまでやってて、私たちのように、仕事を終えて、やって来る連中も多く、何故かここは、いつも一杯で不思議な店でした・・・ ある日、いつものように来ると、従業員の人に一時間待ち!と告げられ、座ってると店のマネージャーが来て・・・
「あ!あの、社長に聞いてます!直ぐにはいれます!」・・・ (ここの社長って、だれ?)
しばらくして、私たちが、ワイワイやってると、マネジャーが側に来て!
「あのー奥の台で社長が呼んでます!」・・・・・・・・ (えええ!・・・誰?・・・)
マネジャーの後を付いて奥の部屋に・・・薄暗い部屋の中にビリヤードの台、その奥に、一人 その人はいた・・・・・・オ・ル・テ・ガ! オルテガは窮屈そうな三つ揃えのスーツを、アル・カポネのように着こなし、私に・・・
「!教えたろ!最初が肝心や!」・・・・・キューの先にチョークを付けらがら・・・
「あ! は、は、ハイ!」・・・・・・・・ (なんで?僕やの?わからん)
「四つ球!言うてな、これが本当のビリヤードなんやで!」…・(赤が二つ、白が二つのゲームらしい!)
先輩達が・・・遠巻きに・・・「もうーぼくら先に・・・帰っとくわな!」・・・・・・・ (見殺しかい!)
オルテガが私を・・・じーっと見据えて、キューを立てながら・・・
「わしの・・・・組に・・・入らへんか!・・・」・・・・・・・・・・・ (はあー?)
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