TENSEI塵語

2004年07月23日(金) 「偉大なる生涯の物語」

高校時代に見たこの映画のDVDを1年ほど前に買っていたが、
今夜やっと封を切って、見た。
3時間以上の長さの映画なので、ついつい躊躇ってそのままになっていた。
10時間とか20時間とかかかるドラマを繰り返し見ていたくせに、
3時間そこそこで躊躇うなんて、どういうこったぃ、と言われそうだが、
それは物理的には割り切れない心理の問題なのである。

もちろん、今夜ふいに見たくなったのは、
昨夜も取り憑かれていた「ダ・ヴィンチ・コード」の余韻のためである。
この映画はかなり聖書に忠実に描かれたものだから、
「ダ・ヴィンチ・コード」で語られたようなイエス像とは違っている。
違っていても、イエスやマグダラのマリアがこの映画ではどう描かれてるか、
ちょっと思い出してみたくなったのである。

高校時代に映画館で見たときから、この映画は決して名画とは思わなかった。
どちらかというと、冗長で湿っぽく退屈な印象が残っていた。
その印象は、今夜見終わった後でもそう変わらない。
途中で休憩時間が作ってある前・後篇仕立ての映画であるが、
前篇はとにかくじれったく、煮え切らない。
イエスのよさが、聖書ほどにも伝わって来ないのだ。
ラザロの蘇りが前篇のクライマックスになっているけれど、感動が薄い。

映像特典のメイキングで、当時スタッフ・キャストだった人が
思い出を語っているところによれば、当時としては破格の費用を投じ、
監督はじめ、かなりのこだわりで制作を進めて行ったようだ。
確かに、風景などの映像、画面の構図、演技などはすばらしい。
けれども、言葉に始終がっかりさせられてしまうのだ。
脚本のセリフに問題があるのか、字幕の訳語に問題があるのか、どちらかだ。


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