TENSEI塵語

2002年11月17日(日) 道案内の日

中3の息子(以下「T」と記す)が卒業後に行きたいという学校の見学&試験日だった。
各種学校という分類に入るのだろうか、そういうことはよくわからない。
週1回だけ通う学校で、高校ではない。高校には行かないでここだけにしたいと言う。
小5の時から不登校になり、4年余りろくに学校に行っていないから、
親としては、積極的に何かをやりたいといってくれただけでも、
その可能性がたったの1%以下でも、何かの変化に役立ってくれればありがたい。
高校に行きたくないのに無理に行かせるのは本人にとって不幸だ、と、
日頃から言ってることは、自分の子どもにも同じく当てはめるのである。
これからいろいろあって行きたくなったら行かせればいい。

名古屋がその会場なのだが、岐阜の繁華街にひとりで行ったことがないので、
会場の場所の確認だけ付き添ったのである。
それだけすませたら、後はすべてひとりでやれ、と放っぽっておいた。
ひとりで外食経験もないけれど、昼食もひとりでとるように言っておいた。
いろいろと心配はあるけれど、せっかく本人が自分の思いで脱皮を計っているのだから、
そう何もかもサポートしてはいけないのだと、自分に言い聞かせた。

その間私は、ヤマハで楽譜を物色しようとして納屋橋に向かい、
そこの映画館で「トリック 劇場版」が始まる直前だったので、まずそれを見た。
店回りだけで6、7時間も潰すのは困難だし、Tの見学時間3時間の間は、
TからのSOS電話が入る気遣いが皆無だったからである。
「トリック」は、全体のストーリー自体は、テレビドラマ同様くだらないものだけれど、
細部が実におもしろい。
ヒロイン山田奈緒子のセリフが実に好ましく笑える。
脚本が、言葉の彩をうまくとらえて、驚くべきユーモアを提供してくれる。
いつもの手品トリックだけでなく、今回の映画では、
横書きの文を縦に読むという暗号の妙味を見せてくれたのがおもしろかった。

映画後、昼食をとっていたら、Tから電話が来て、「終わった」という。
意外な電話である。電話嫌いで、自分からかけるなんてことはほとんどない。
声もいささか弾んでいるようだ。
昼食をとるのが不安そうだった(中学生の癖に保護者なしで飲食店に入っていいのか、
と思ってるわけである)が、その会場のそばにマックがあるのを見てたので、
いざとなったらそこですませるだろうと、自分で対処させた。
ちょっとかわいそうかな、と思わないでもないけれど、
ライオンが我が子を崖から落とすほどの試練ではないのだ。
きょう私がついて行ったのは、道に迷って棒に振らないようにするためだけで、
その他のことは、何もかも自分の選択だぞ、ということを明確にしておかなければ。。。

ヤマハで吹奏楽譜ひとつとCDを2枚買って、喫茶店でくつろいでいたら、
試験会場で待機しているTから電話があって、試験の時間が予定より遅れたそうだ、
などとわけのわからないことを言う。
変だな、と思って、禁を犯して試験会場に行って会って話を聞いてみると、
4時40分から試験のはずなのに、1時間遅れるそうだ、と憤慨して言う。
まだ4時10分なのである。
まだ時間来てないよ、といっても、そんなことはない、5時も過ぎた、と言う。
ん??? と考えてみて、時計進んでない? と聞いてみて、時計を出させてみたら、
きっちり1時間先を表示していたのだった。。。

ま、いくらか波瀾もあり、この見学&試験で本人がめげるかも、と心配していたけれど、
わりと楽しげに試験から帰ってきたので、とりあえずはホッとしている。
問題はこれからだ。
道案内はまだまだ始まったばかりなのである。



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