ずんだいありー
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1999年01月09日(土) 高校生

今日の新聞の投稿欄に高校生の投書が載っていた。
大学へ進学をすることができて嬉しいという平凡な内容。
でも、その高校生は70歳のおばあちゃんだった。

その女性は10年前に定年退職をした後に、更に5年働き、現在は遊園地の屋上の売店で
働いているそうな。そんな彼女は勉強をしたかったようで定時制高校に入り、
もうすぐ卒業なんだと。でも大学に進学したかったので勉強したら社会人入試の枠で
合格したとのことでした。

年齢の離れた人が大学に入るニュースは最近では珍しくなくなった。
だからこのニュースは僕を別に驚かせはしなかった。
でも嬉しくなったのは彼女が大学に入ることのできる環境を彼女が持てたことだ。
といっても僕はこのおばあちゃんのことをなんにも知らないけれど、
今までだったら70歳の女性が大学に進学するといったらいい歳して・・・といわれることが
関の山だった気がする。70歳の男性が同じ事をやるのとは訳が違うのだ。
その中で彼女が大学に進学することを決め、それを成し遂げたのは彼女自身の努力と、
そしてきっと周りの環境もあったのだろうと推測する。
そして僕はその環境を勝手に羨ましく思った。

男の人を好きになるように生まれてきた。
僕は日本人のゲイの中でも非常にラッキーな時代に生まれてきたものだと思う。
20歳台から沢山の友人にゲイであることを伝えるだけの環境が僕の周りには
少ないけれどあった。それだけのちょっとの隙間が僕の人生においては非常に重要だった。
でも、その隙間はなかなか広がらない。初めて友達に自分のことを話してから
もう6年近く経つというのに、僕はなかなか自分のことを分かって欲しい人に
言えないでもいる。

僕は70歳のおばあちゃんが大学に進学できるくらいに毎日が生きやすい、
風通しの良い環境が欲しい。別に法的に結婚ができなくても構わない。
それよりも毎日をゲイとして気持ちよくいることのできる風通しの良い環境、それが欲しい。
自分のことは自分で決めて、そしてそれに人は干渉しない、させない。
年齢や性別や出身地や誰が好きかで物事の判断をされることのないような気持ちいい環境。
それが欲しい。

おねだりしても仕方ないのだ。
自分から求めてかなくちゃ。
第3章の第1節、書き上げる。あと100時間切っている。
残りあとだいたい、20頁。原稿用紙60枚分。書いてやる。

(補記)今日の新聞には73歳の元教員の投稿が。
「男は無口な方がいい。女を立ててやれるから」だって。
ばっかじゃないの。
同じ70代でこうも違うもんですかね。
女性は別に立ててもらいたいなんて思っちゃいないのに。
こういう人こそが「立てて」もらわないときれちゃうんだ、また。
本当にあったまくるなぁ。
しかも、こういう投稿を平気で載せんなよな。朝日新聞。
差別に気づけ。


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