隅々までいきとどいた美意識。それが好ましいか、どうでもいいと思うかで、評価がわかれそう。美しい。でも作り手はその美しい世界に決して酔ってはおらず、冷静に、ときに辛辣に、微妙なさじ加減のユーモアさえ混じえて、自分の描きたいものを、きっちりと「描き」きっている。目に見える物質世界の美を丹念に追求した果てに、目には見えない精神世界の美が広がっていた…というような。