西日が差したら枇杷の実を食べよう
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2003年10月09日(木) 涙腺崩壊。『おばあちゃんの家』

初めてみた映画が、3歳の時、父親に連れていかれた
東映まんが祭り、
初めてのトラウマ映画が、5歳で母親に見せられた座頭市、と
映画歴はそれなりに長いわたしだが、
こんな体験は、文字通り、初体験だった。
それは、
「これ以上、みていると、映画館でひっくひっくと、
 大声でしゃくりあげそうになるので、
 思わず、もうみていられんと、目を閉じてしまった」
という、ある意味とってももったいない体験。
その記念すべき映画は、
『おばあちゃんの家』。韓国映画である。
(元来、小学校の時読んだ井上靖の『しろばんば』以来、
「おばあちゃんと男の子の孫」モノに異常に反応してしまう体質ではあるけれど)

もう、キャスティングを、
映画出演どころか、これまで映画なんてみたこともないという、
素人の、あのおばあちゃんにした時点で、
大勝ちです、この映画。
しかも、孫役の男の子以外は、ほとんどの出演者が
素人というじゃないですか。
監督&脚本の女性、すごい才能。
こうして書いていても、あのおばあちゃんの顔が頭に浮かんきで、
再び、泣きそうになるくらい。ひぃぃぃぃぃ。誰か助けて。
乾電池なんて、要らないよーーーー。
ケンタッキーフライドチキンも、食べたくないよーーーー。
おばあちゃーーーーーん。

とにかく。
これは、韓国映画得意の「泣かせ」の演出なしに、
ごくごく直球に、淡々としたエピソードの積み重ねだけで、
客の涙腺を攻めるタイプの映画ですから、
よくある「泣かせ」モノにありがちの、
いやらしさはまったく感じません。
こういう言い方はアレですが、
映画をみて泣きたい人、
涙で心を洗いたい人、ぜひ、みてください。
こんなに汚れっちまったわたしですが、
この映画の上映時間と、その後、数時間は、
ほんとうに、心の底から、きれいになった気がしました。


あっという間に、汚いわたしにもどっちまいましたが。


otozie |MAIL