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天竜



 先進国の役割

どうせマスコミはわざわざラクイラまで付いていって、向こうの記者会見で「解散はいつですか?」程度のことしか訊けないレベルの低さなので、程度は低くて、さらにエロい私でも説明できる麻生総理の今サミットでの成果。

今回のサミットのハイライトとして議論された「食料安全保障」の問題。麻生さんはこのテーマに関し、あらかじめ英紙フィナンシャル・タイムズに「世界の持続的な生存と食料生産に向けて」という論文を寄稿しており、その中で去年から続くこの大不況において、食料難に対する危機感から需要各国による農地争奪戦が繰り広げられており、未曾有の価格高騰によって10億人を越える人々が飢餓に陥る状況を作り出していると現状を危惧。
それを解消し、発展途上国や新興国の農地へ健全な投資を行うための対策について、上記の論文とともに外務省のHPに載っているので一読して頂きたいのですが、簡略に言えば下記の五つ。

●国際農業投資、特に政府が関与している場合には、透明性と説明責任が不可欠である。投資家は、地域共同体を含む主要な関係者が、適切に情報提供を受けることを確保すべきである。合意事項は公開されるべきである。

●投資家は、投資計画が影響を与える地域住民の権利、特に土地に関する権利を尊重しなければならない。投資家はまた、投資によって得られた利益が、雇用、インフラ、技能・技術移転のかたちで地域社会と共有されることを確保すべきである。

●投資計画は、被投資国の開発戦略と環境政策に統合されるべきである。

●投資家は、被投資国の食料需給の状況を考慮に入れなければならない。外国からの投資が現地の食料不安を悪化させるようなことはあってはならない。

●土地や生産物の取引は、市場価格を適切に反映すべきである。貿易措置は、WTOルールに従わなければならない

実際、食糧安全保全に関するG8で出された共同声明「ライクラ食料安全保障イニシアティブ(AFSI)」では、この麻生案を主軸にまとめられているのは一目瞭然で、これは大きな成果のひとつではないのでしょうか。
食料輸入大国である日本としても、そうした非投資国と密接かつウィン・ウィンな関係を作ることで、食料輸入の安定化を保つこともできるわけですからね。

まあ、この件に関しては、金に物を言わせアフリカでやりたい放題している国がありまして、釘を刺すにもちょうどいいんじゃないでしょうか。



2009年07月11日(土)
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