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天竜



 無知、無視、無関心の罪

HIV+だということを告白したモデル、それを知った上で彼とセックスすることを承諾し、セイフティセックスの重要性と、キャリアに対する偏見の愚かさをコメントしたモデル、そしてそれらをすべて配信したゲイポルノサイトの責任者、すごい勇気だと思いました。

私は「真実のナイフ」でHIVを題材にしました。そのために、自らエイズ検査にも行きました。正直、まったく心当たりがないとも言い切れず、「もしかして」を考え出すと夜も眠れないくらいの恐怖でしたし、過去を振り返って無駄な後悔もしました。結果はネガティブでしたが、味わった恐ろしさというのはつまり「死」であり「偏見」であり「絶望感」、つまり私が小説の中で広岡に負わせたすべてです。
しかし、同時にそれは無知から生まれるものでもあると私は思っています。

日本は見て見ぬふりをします。同性愛者がテレビの中だけではなく日常に存在するように、エイズキャリアの人間も必ずいます。気付かないのは、気付かない状況を私達が作り出しているからであり、気付かせないように彼らが必死に隠しているからです。そんな世界はクソくらえです。

私は自分の目の曇りがいつかちゃんと取れることを願いたいですし、そう心がけていきたいと思いますね。

2007年06月13日(水)
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