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天竜



 映画「姑獲鳥の夏」

さて、地元では上映されることなくDVD待ちだと思っていた映画「姑獲鳥の夏」ですが、なんとなんと九月末で取り壊しになる映画館で公開しているじゃありませんか!(教えてくださったMONYさん、本当にありがとうございますーー!)
んで、早速行ってきましたヨ!
なんかね、最初上映するスクリーンを間違えたかなと心配になるくらい中高生の子達が多くって驚きました。「京極夏彦」というの作家の小説は、結局、そういう若い子たちに支持されてるからこそ売れているんだな〜と再認識。

映画の方はですね、面白かったですよ。
やはり原作を読んでいないと解かりにくい部分が多いとは思いましたが、京極先生が映像化を承諾するのもわかるくらい、キャスティング陣が隅々まで豪華でしたね。

でもねーでもねー、言っていい?言っていい?

阿部ちゃんの榎木津だけがどうしても受け入れられなかったのは、私だけでしょうか?

いや、良かったんですよ。良かったんですけど、榎木津にはあまりにも愛着が強すぎて、映画は映画だからと分かっていても、駄々をこねてみたくなるわけですよ。どうせ買ってもらえないなと分かっているオモチャを、あえて泣いてねだってみる子供と同じです。愛ゆえです、愛ゆえ。

他はね、全部認めます。青木がまったくコケシ顔じゃなくてもいいんです。京極の着物が紫でもいいんです。木場が優しさを削った荒くれ者でも、京極先生が相変わらずの目立ちたがり屋さんでも、京極と関口が妙にイチャイチャしていてもいいんです!(よくないけど)
榎木津だけは、彼に対してのわがままだけは許してやってください…。

しかし話は変わりますが、映像化の利点はあれですね、パロディを書いている人たちにとっては京極堂の間取りだとか、探偵事務所の内部だとかがとても明白になってかなりいい感じですね。
本屋と居間の繋がり部分だとかはぼんやり想像できていても、ああやって映像で観ると改めて「ああ、なるほど!」って思う。縁側の雰囲気とかもね。
今まで自分が書いた作品に登場させた場所に矛盾はなかったかとか、今頃になってチェックしちゃいましたよ。

まあそんなわけで、まったく感想になってませんが、とにかく面白かったです。DVDは買いです。
またシリーズ第二段とかもきっと作られるんでしょうね〜。それよりもなによりも、個人的には「邪魅の雫」が一日でも早く読めることを心待ちにしているわけですが。

私以外にも、これから映画館で観られる方もいらっしゃるのかな。榎木津が自らバイクを磨いている姿を見て「んなもんは下僕にやらせればいいじゃないか!」と心の奥で叫びつつ、京極がうちわをパタパタやってる姿を見て、「君はどうせ汗なんかかかないやんけー!」と雄たけびを上げつつ、木場のセリフ「へっぽこ探偵」に脱力しつつ、ぜひとも愉しんで観て来てくださいね(笑)
なんじゃかんじゃ言いましたけど、作品の完成度としてはきっと、ローレライとも引けをとりませんもの。

2005年09月19日(月)
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