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天竜



 ハッピーエンドorアンハッピーエンド

常連の皆様には二度目のお話になるかと思いますが、一応聞いてください。
私の小説には、概要にハッピーエンドかアンハッピーエンドかという表記を一切入れていません。アンハッピーエンドが苦手なのでその辺りを書いておいてくれると嬉しいというご意見を今回匿名メールにて頂戴したのですが、本当にすいません、私にはどうしても表記することができません。

私は小説を読む醍醐味は、ラストに向けての緊張感であると思うし、書き手としては皆さんに楽しんでもらえるよう、納得してもらえるよう、長編になればなるほど長い期間悩んで考えて、至らない脳みそをひねって、頭を掻き毟りながら、たくさんの選択肢の中からこれだというものをチョイスして物語を完結させていきます。書き終わったあと、皆さんにどう受け止めてもらえるのか、それを待つ瞬間は楽しみでもあり、恐怖でもあります。

書き手の傲慢だとしても、自己満足だとしても、読み手にハッピーエンドか、アンハッピーエンドか、それさえもわからないドキドキ感をひとつの楽しみとして読んで頂きたいという思いが強くあり、表記することによって、読み手が想像するラストの可能性を50%にしたくはないのです。

自分の好みの終わり方になる作品を読みたいという欲求はすごくよく分かります。数限りあるネット小説になればなるほど、わざわざ苦手な完結作品を読むなんて時間が惜しいという気持ちもわかります。
でも、すべてのリスクを背負って作品に向き合って欲しいと思うのも、勝手な物書きの言い分です。

私もBLに限らず小説と名のつくものは数え切れないくらい読んできました。幸せなラストシーンもあれば、「なんじゃこりゃー!」と壁に投げつけたくなるようなラストシーンもありました。しかし、そういったものすべてを含めて小説が大好きなのです。

んなわけで、長くなりました。素人風情が何言ってやがんだコンチクショウ!と仰られることは百も承知です。
しかし、どうしても曲げられないポリシーがあって、今後も同じようなご質問がきっと来るだろうなと予想したので、今回書かせていただきました。

どうぞ小説を、楽しんでください。

2005年06月05日(日)
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