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天竜



 文学全集

このところ、ずぇんずぇん本を読んでいなくてですね、読書記録もぷっつりと止まってしまっているのですが、さすがにいかんと思い、三島を読んでます。

私、本当はすごく苦手なんですよね、三島由紀夫。なんというか、彼が描く人物が抱いている劣等感というものが、そのまま私自身に当て嵌まるようで、卑屈な態度で内部から外の世界を覗き見るような感覚が似てるのかな、読んでいて「勘弁してくれ〜」とギブアップしたくなります。

私には文学の何たるかなどというものは全く分からなくて、語るつもりもさらさらないのですが、夏目漱石にせよ、太宰にせよ、芥川、三島にせよ、彼らの小説で、人生を謳歌している人間が読んで面白いと感じる作品は少ないんじゃないかな〜と思うときがありますね。やはり、人生の辛酸を舐めた人にこそ、彼らの書くユーモアが皮肉となって口元を歪めさせたり、心臓に釘を打たれるような衝撃を受けたりするんじゃないのかなと。

ちなみに、もう死んでしまいましたが、私の曾爺さんは放浪癖があり(笑)、貸してくれと言われると、見境もなく他人に金を貸し、結局は借金ばかり作っていくような人でしたが、晩年、何十冊にもおよぶ文学全集を読んでました。
今生きていれば、いっぱい話せることがあったのにな〜と思いますね(笑)

2003年04月29日(火)
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