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天竜



 トルコとドイツ

これで最後これで最後と思いながら、イルハン君、というかトルコチームについてもうひとつ。
BBSでしーなさんが仰られていた通り、イルハン君はトルコ人でありながらドイツで生まれで、19歳まではドイツのサッカーチームでプレイしていたそうですね。
私は本当に世界事情に疎く、トルコとドイツの関係というものに対して全く知識がなかったのですが、トルコチームをネットで調べているうちに、考えさせられることがたくさんありました。

まだドイツが東西に分かれていた時代、安い労働力を得るために、西ドイツではトルコの移民を数多く受け入れ、現在でもそのままドイツに定住したトルコの二世、三世が数多く生活しています。トルコというのは、アジアとヨーロッパの間に存在する国であり、トルコを境界線にイスラム教国になるんですね。ドイツはもちろんキリスト教国です。
イルハン君のように、ドイツで生まれたトルコ人が、どのような宗教を選択し、どのような思想を持って育つのか分かりませんが、やはり、往年のトルコ選手からしてみれば、どこか異端であるのでしょうね。
今回のトルコチームでもやはり、若いドイツ生まれの選手と、トルコ生まれのベテラン選手との間には確執があり、合宿の際は宿舎も別々だという報道がされました。ううーん、これが事実とは思いませんが、少なくとも、何かしらのわだかまりがあったのは本当なのかもしれません。
しかし、そんな中でトルコチームは予選リーグを首の皮一枚で勝ち残り、決勝リーグではセネガル、そして日本を破り、三位決定戦では韓国を破り、堂々の三位。
そう考えてあの韓国戦を見ると、トルコの英雄と言われたハカンと、ドイツ生まれの若手イルハンがゴールを決め、抱き合う姿はより一層、胸に沁みるものがあります。試合終了後、ハカンが率先して、力なくフィールドに座り込む韓国選手に声をかけながら、一緒に手を繋いで観客席に挨拶に行ったのも、トルコチームだからこそできた姿勢だと思いますね。
何だかサッカー版、タイタンズを見ているようでした。
「何か問題を持っているチームの方が強くなれる」と言った、タイタンズ、ブーン監督の言葉が蘇ります。

優勝国ブラジルや、カーン率いるドイツ、そしてアジア初のベスト4に食い込んだ韓国。報道はこの三国に集中していますが、私はやはり、トルコチームの躍進に拍手をおくりたいですね。



2002年07月11日(木)
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