|
|
■■■
■■
■ 便利屋シリーズ「傷ついた男」第三話UP
「偉大なる歌人へ」 作:ポエマー天竜
哀しみを歌に込める詩人は、 ナルシストだと嘲られ、 喜びを歌に込める詩人は、 偽善者だと後ろ指をさされる。
怒りを歌に込める詩人は、 エゴイストだと罵られ、 愛を歌う詩人は、 インポテンツだと陰口を叩かれる。
果たして、この世に歌う歌はあるのか。 果たして、この世に生きる意味があるのか。
歌えない詩人は、そう嘆き、絶望した。 歌えない詩人は、人々を憎み、自らを呪った。
その時、神が詩人に囁いた。 それこそが、歌なのだと。 それこそが、魂なのだと。
詩人は笑って答えた。 「お前など、豚の餌になるがいい。 民衆という、小汚い家畜に喰われてしまえ」
それを聞いた神は、大きく手を広げ そして叫んだ。
「まさに、大いなる喜劇だ」と。
2002年05月01日(水)
|
|
|