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天竜



 その手に何を持つ

君が言った。

人間はね、生まれたときは何も持ってはいないんだと。
けれど、いつの間にか強さを右手に、弱さを左手に
持って歩いていることに気付くんだと。

そして君は言う。
貴方と会うときだけは、強さも弱さも置いてきてしまうと。


どうして?と尋ねた僕に
君は言った。


貴方を抱き締めるために、両の腕が必要だからと。



作:ヴァルレーヌ天竜

2001年07月30日(月)
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