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2010年07月10日(土) 小三治師匠の言葉

昨日の落語会の高座で、小三治師匠が弟子に対する思いを話していた。

― 弟子は、ある意味、家族より重い存在だ。

弟子は前座のうちは扶養家族みたいな存在だろうし、その先も自分で稼げるように育成しなきゃいけない。本人の才能や努力ももちろん必要だけど、弟子が独り立ちできるように育てるのは大変だろうなあ。会社員の場合は、やさしい仕事から担当してもらったり、難しい仕事は手伝ったり途中で交代したりもできる。だけど、噺家は、高座に上がったら本人が何とかするしかなくて、誰も手伝えないからねえ。

― 噺家になったら、いずれは弟子を取るべきだ。

自分も師匠に育ててもらったのだから、その恩を返す意味で、弟子を育成するのだという。弟子を取ることで人間の幅が広がって、それが芸の幅につながるということもある。このあたりは会社員の世界と似ているかもしれない。管理職になると、自分が仕事をこなすだけじゃダメで、課員の育成が大きなミッションだから。もっとも、噺家みたいに、10年もかけて育成するなんてことはないけどね。

小三治師匠のマクラを聴きながら、そんなことを考えた。

もっとも、本編の落語に入った頃には、仕事のことなんかすっかり忘れて、笑って楽しんで帰ってきた。落語はストレス解消になるね〜

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