たりたの日記
DiaryINDEX|past|will
3月23日から開始し、9月の末まで半年に渡って続けられた点滴による抗がん治療(ゲムシタビン シスプラチン療法)だったが、半年ぶりのCT検査の結果、この治療の効果が見られないということで中止となる。それに代わるものとして、飲み薬のTS-1(ティーエスワン)の服用による治療がこの日から始まった。
3月のはじめ、肝臓の右葉側の門脈の一部に転移したと見られる癌が、この半月の間に右葉側の門脈全体に広がり、そのため肝臓の血流が悪くなり、肝臓の右葉に萎縮がみられるということ。左葉側の門脈はまだ健康な状態なので、肝臓右葉の萎縮を補うべく、肝臓左葉部が肥大しているという説明を受ける。幸い、今のところ、癌の肝臓や膵臓や肺などへの転移はないようだ。この事は大いにほっとした。
胆管癌の再発の場合の標準治療は今のところ、先の点滴による治療の他は、新たに始めるTS-1(ティーエスワン)しかないので、何とか、この薬が癌の進行をここで食い止めてほしいところ。
夏のベトナムへの滞在中は、このTS-1を持たされたものの、下痢などの副作用があり、途中で服用を止めてしまった経緯がある。あの時は初めての副作用でくじけてしまったのだが、その後の点滴治療での副作用はそれ以上だったので、今にして思えばTS-1の副作用それほどでもなかった。 後はこの治療を身体がどこまで受け入れられるか、あるいは、効果を発揮する事ができるかどうかで、治療の期間も決まってくるのだろう。 この治療も効果がないとなれば、後は自己治癒力に頼む事になるのだが、やれる事をやるだけやった後ならすっきりするように思う。人間の身体は不思議で、決してデーター通りにはいかないし、治る見込みのない末期がんを克服した人がいることも確か。治療のすべがなくなってもそれで終わりという訳でもないだろう。 それより、何より、すべての始まりも終わりも神が定めたもので、それは時にかなって美しいのだから。
そんな気持ちが医師に伝わるのか、 「再発の場合、完治は望めません。治療は延命に過ぎないことを受け入れて下さい。」と、言われた。充分受け入れているつもりでいるのだが、きっと私に希望を持っているような顔つきや態度が見られるので、医師はその事をかえって不安に思ったのかも知れない。 私の「希望」はそういうところにあるのではないのだが、それはなかなか人には伝わらないものかも知れないな。
|