たりたの日記
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2006年11月22日(水) 映画「無伴奏 シャコンヌ」

「無伴奏 シャコンヌ」という
1994年、フランス映画

何という良い映画であったことか。
昨日から頭の中にはバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番シャコンヌ 」が繰り返し鳴っています。

ホームレスになってしまったバイオリンニストは何もかも失ってしまうのだけれど、それ故に彼の探していた正しい「魂柱」を手に入れたのではないかと最後のそれまでとは違った演奏を聴き、またそれに動かされる人達の身体の動きや表情を見ながら、深い感動がありました。

魂柱というのはヴァイオリンの上と下の共鳴板を支えている小さな柱で、そこがきちんとした位置に立っていなければ、その楽器の本来の良い響きが出ないのです。

この映画の始まりはヴァイオリンを修理する場面。
「魂柱が問題だ」
修理に持ち込まれたヴァイオリンを直しながら言うヴァイオリン職人の言葉。はじめは気にも止めなかった言葉でしたが、実はこれこそがこの映画の主題を暗示している事が分かりました。

優れたプロのヴァイオリンニストが地下鉄での路上ミュージシャンへさらにはホームレスになり、最後に残ったヴァイオリンすら壊されてしまった主人公のヴァイオリンニストはそれでもひたすら魂柱を握り締め、頭の中で自分の演奏を追い求めるのです。


レビュー、改めて書くつもりでいますけれど。

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たりたくみ |MAILHomePage

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