たりたの日記
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2006年05月04日(木) 瑞牆山へ―冒険に満ちた山行― つづき

さて、いったいどのような冒険があり、難関を突破したのか、その事を書きたくてしかたがないのだが、時間がない。
昨日遅く帰宅してみると、S先生から明日の山行(山梨、御正体山)のお誘いのメールが届いていた。明日4時起床となれば、少なくとも11時には就寝しなければ。
と、なれば、短いメモだけに留め、後日詳しく書くことにしよう。


前日、<水色の風>号で雨の中を目的地に向かう。談合坂で、<黒い鷹>号でやってきた今回の山行のリーダーやすさんと合流。

町営の増富の湯・みずがき山リーゼントヒュッテは実にすばらしい温泉と宿だった。

わたしの我がままを聞き入れてもらい5時から7時までたっぷり温泉に浸かる。この温泉がいかに優れものだったかは後で書き加える。

宿はホテルでも山小屋でもなく、あえていえば、公民館とか、昔お世話になった公立の青年の家の雰囲気。
星の名前がついた部屋は清潔で広々としており、2階には星空が眺められるロフトがある。

我々はしし鍋をはじめ、土地の山菜をふんだんに使ったおいしい夕食をいただいた後、部屋で持参した紫芋の焼酎を飲みつつ、深夜までまるで学生時代のような、議論に花を咲かせた。こんな話をしたのは何年ぶりのことだろう。

(メモ書きのはずが長くなってしまうな。)

さて、翌日は雲ひとつない大快晴。
陽射しはきらきらと眩しく、空気はきいんと澄み切っている。
さて、いよいよ瑞牆山へ。

毎度の事だが登り始めて10分、身体が登るという行為に順応するまでが、私にとってはいちばんきついところ。ところがそこさえ通りすぎれば、ガイドブックに「一歩を踏み出すのが嫌になるような急勾配」とあるようなところも、楽しくて、いくらでも登れるという気持ちになる。きっとよじ登るという行為がわたしの身体に合っているのだろう。

確かにロープを頼りに腕に力を入れて岩をよじ登るという場面もいくつかあり、やすさんが言うように、山登りというよりはフィールドアスレチックのような感じで垂直に近いような急勾配を登るのは冒険のようだった。

しかし、山頂へ辿りつくに至る関門は、こういった急勾配では実はなかった。
山頂まであとわずかという地点で登山客達が立ち往生している。ザックからアイゼンを取り出して付けている山岳部の部員とおぼしき青年たちの側で、アイゼンを持参していない登山客達は頂上まで行くのを断念していた。
「だめだ、とっても登れない」
「無理して行くことはない」
「アイゼンがないと無理じゃないかなあ」
道が凍りつきとても登れるような状態ではないらしい。

わたし達もアイゼンは持参していない。ということは頂上までは行けないということなのだろうか。
しかし勇敢にもやすさんは進み始めた。とすると、わたしの冒険心が掻き立てられる。大丈夫、慎重に気を緩めないでやれば何とかクリアできるかもしれない。とにかく行けるところまでついて行こう。

足元は確かにすべるが両脇にある木の枝をロープ代わりにしてしっかりと握って進めば、前進できる。一箇所何も掴まるところがなく、ここから先へは行けないと思ったところ、いったいどうやって登ったのか、先に氷の崖を上がったやすさんが、わたしが掴まれるようストックを差し出してくれる。ストックを頼りに、そのつるつるとすべる崖をよじ登り難関突破。さらに氷の坂道を慎重に登っていくと頂上がさっと開けた。

今までの氷の道が嘘のように、そこはさんさんと陽が照る、風もなく穏やかな山頂。思ったより多くの人がそこで食事をしたり、眺望を楽しんだりしていた。

ヒヤヒヤどきどきの冒険だっただけに、山頂の岩の上に立った時には何とも言えない安堵とふつふつとした喜びが湧き起こってきた。
すぐ側には雪を残した金峰山。その右手に遠く富士山。南アルプス、八ヶ岳と360度の大パノラマ。

mGは体調が思わしくなく、途中富士見平で引き返すことになってしまったので、やすさんはmGに見せたかったねとしきりに残念がっていた。わたしはきっとまたこの山にmGと、また仲間と来ようと思った。

さて、11時を10分経過。
明日の山はどんな山だろう。ではおやすみなさい。

< 後日、温泉について記事を追加>

さて、すっかり気にいった「増富の湯」のことを付け加えよう。
増富温泉はラジウム泉だ。ここには、25度、32度、35度と温度の違う3つの源泉かけながしのお風呂がある。
30分位の間、我慢せずにリラックスして入れる温度をお選びくださいとあるが、15分〜30分程、入浴する事により、体内環境をアルカリ性体質に傾け、ホルモンのバランスを整え、循環機能を高め、体内にある老廃物や毒素を排出する働きが出てくるということらしい。

ぬるい温泉なので、いくらでも入っていられるのがうれしい。サウナの後は25度の源泉でクールダウンし、少し冷えてきたら35度の源泉で温まるという具合に入り分けることができる。
32度の温泉でずうっと文庫本を読んでいる人がいて、本を持ってくればよかったと思った。

源泉かけながしのお風呂の他に、スパ、岩盤浴、漢方湯、サウナ、ミストサウナ、打たせ湯、寝湯とさまざまなタイプのお風呂があり、一日でもいることができる。温泉だけでも度々訪れたいところだ。

* 写真は瑞牆山の山肌の向こうに見える金峰山


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