たりたの日記
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2004年08月01日(日) 読んだ本のこと、読んでる本のこと

ついこの前、原因不明で夜通し眠れないということがあったが、
昨夜もそうだった。
昨夜の場合は、パーティーの時に飲んだコーヒーのせいだろうと思う。
眠れない時にはどんな事をしても眠れないものだ。
そのせいか、今朝は礼拝の司会だというのに、途中で頭がぼんやりしてしまって、進行を間違えてしまった。全く、考えられないような場所で・・・
ああ、失態!

最近読んだ本、今読んでいる途中の本の事を書いておこう。
ここにでも書いておかなければ、忘れてしまいそうだから。
1週間ばかり、ちょこちょこと、またとろとろと、朝や夜のお風呂の中なんかで、江国香織の「なつのひかり」を読んだ。

この頭がぼおっとなるような夏の午後に、氷水を飲み飲み汗をたらたら流しながら読むのに、あるいは、夏用バスクリンを入れた青いインクのようなほとんど水のようなお風呂に浸かりっぱなしで読むのに、この本は実に合っていた。

ストーリーはあまりに奇想天外、かつ非現実的なのだが、なぜか「ここ」という感覚が起こる。
「ここ」というのはわたしのいる場所。「ここ」にある意味近いと感じるのは、わたしの夜に見る夢や、昼に起きながら見る夢の匂いとどこか似ているからなのだろう。むしろ、そういうヒミツの世界が誰もが読む本の中に現れていて、この本の事を知っているのはわたし一人に違いないのに…という妙な錯覚まで起こる。
「不思議な国のアリス」や「鏡の中のアリス」を読んだ時の感覚とも似ているような・・・
で、小説を書くという視点でも、たくさん学ばせてもらった。


「なつのひかり」と平行して「それでも作家になりたい人のためのガイドブック」桂秀美・渡部直己著・大田出版 を読んだ。
ちょっとタイトルがはずかしいので、電車の中ではしっかりカバーをかけて読んだが、この本でも、ばっちりお勉強させていただいた。

しかし、この本の冒頭、「本の使用法」に
5、四十代以上の人々へ――たぶん読まぬほうがよい。この世界史的激変期に不惑過ぎてなお「文学」などというものに憧れているような人々が本書を読むと、とてもいやぁ〜な気分になるでしょう。
とある。

少しでもましなものを書きたいと思っているのに、はじめから門前払いを食わされた感じだが、わたしのようなヘソマガリは、こう言われれば、余計に読みたくなるというもの。
確かに様々な作家の様々な作品をズバズバと暴き、ビシバシと切っていく辛口の批評もあったが、一方で、作家の凄さや学ぶべき点を「これだ!」という具合に明確に見せてくれる点は有意義だった。なるほどと思った。学習効果は大だったと言える。

しかし、なんとも後味が悪い。あまりにネガティブなエネルギーが強いので、
心はバランスを取り戻そうと、ポジティブなものを求める。そこで、これだと狙いを付け、前に読んだ保坂和志氏の「書きあぐねている人のための小説入門」をまた読み始めた。
あぁよかった。こっちからは、「あきらめろ」ではなく「書けるよ、がんばれ」という励ましが届く。本つくりの作業を終えた後は、前よりも書いていることがビシッと分かる。ここから始められるという気がする。
いろんな叱咤激励があるが、この「大丈夫、きっとできる」Yes,you can!
という励ましは、ほんとに人を前に進ませる力になるなと思う。
子ども達に、生徒たちに、あるいは仲間に、そういうポジティブなエネルギーを送っているだろうか。

Yes,you can!
You can do anything!



たりたくみ |MAILHomePage

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