詩のような 世界

目次


2007年02月27日(火) 密やかな夜の亀裂


とても疲れて

寝たふりをしていたよ

優しく頭を撫でられる

夢を見たくて

クッションを顔に押しつけた


息ができない


何も戸惑う必要などないのよ、と

ドレッサーに座るフランス人形が微笑んだ

ように思おうとした


「ここ」にいるから

僕は「あっち」にいない

それだけのこと


穏やかに流れていきたいと願っているのに

矛盾しているんだ

居場所なんて見つけるものじゃない


鏡の中に、僕がいる


ただ、ただね

美しい巻き毛の人形は

近くにいても

一緒に寝てはくれない


凍りついたような笑顔で

そこにいるだけで



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