詩のような 世界
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とても疲れて
寝たふりをしていたよ
優しく頭を撫でられる
夢を見たくて
クッションを顔に押しつけた
息ができない
何も戸惑う必要などないのよ、と
ドレッサーに座るフランス人形が微笑んだ
ように思おうとした
「ここ」にいるから
僕は「あっち」にいない
それだけのこと
穏やかに流れていきたいと願っているのに
矛盾しているんだ
居場所なんて見つけるものじゃない
鏡の中に、僕がいる
ただ、ただね
美しい巻き毛の人形は
近くにいても
一緒に寝てはくれない
凍りついたような笑顔で
そこにいるだけで
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