悪い夢で目が覚めた。僕が僕をころすゆめ。 夢の中で、僕は僕を興味深そうに眺めながら、すっと音も立てず刃を向けた。 否、向けたのは本当に刃だったのだろうか。もっとイタミの長引く夢だったような。 ともかく其処にはもうひとりの僕が居て。顔も性格も何もかも共有している筈の僕を、「信じられない」と言ってわらっていた。 信じられない。…しんじられない。 僕のような人間を、本当に愛する人がいるなんて信じられるものか。 手に入れたしあわせは、すべていつか塵となってこの手から離れてゆくのだから。 だから、信じられない。しんじてはいけない。握り締めた手は僕のものではない。 深呼吸して瞳を開くと、昨日とは違う天井が映って、あぁまた僕は生き長らえてしまったといつも思う。そんな毎日。
僕は。 いつか誰かにころされるのをずっと待っている。 例えば僕に。例えば君に。 そう、そうだ。君がいい。失ってしまうよりその方がずっといい。 君がいつか僕から離れていってしまうその時に、すっと綺麗に僕に新しい傷口をつけてくれれば良い。 そして出来ればその傷跡から僕のすべてが流れていって、僕といういきものを形作る全てのものが消えてしまえばもっといい。 そんな風に素晴らしく最期を迎えることが出来るのだとしたら、僕はその時まで精一杯生きてみせるよ。 君の好きな微笑みも、優しさも、この手も、大切に大切に守っていこう。 だから覚えていてね。僕のこの声を。陳腐な願いを。脈打つ心音を。 君の穢れない瞳に僕が映る度に、思い出して、待っているから。 …きっとだよ。
***************************************** …エート。まず最初に。 朱之法宿、意識は正常です。 別に何処かへトリップした訳ではありません。(苦笑) 最近ちょっと小説を書けない病に陥っていたので、 今日は八戒の日だし、練習がてら日記にてSSでも…と 思って書き始めたらこんなものが出来ました。あれれー?(笑) 基本的にハッピーエンドな小説ばっかし書く性質なもので、 時々珍しいものを書きたい〜とか思っていると 妙にシリアスなものが出来てしまうようです。びっくり。 …いや、これはシリアスなのか?(自分ツッコミ)
愛も変わらず八戒が好きです。 彼の自嘲癖は、死ぬまで治らないものだとしても、 それを支えてくれる優しい誰かと、束の間でも、…出来るならずっと、 二度目の幸せを噛み締めて生きていってくれると、 朱之は信じています。 そしてその道筋を、拙いながらもこれからも書き記していく事が、 朱之なりの、彼への愛のしるし(笑)です。 更新、滞り気味なサイトで本当にごめんなさい。でも。 最遊記が、八戒さまが、まだまだ本当に大好きなんです。
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