日記。

2005年02月17日(木)

幼稚園に入る前、家庭の事情で母の実家に一月預けられた。
覚えているのは。
おばあちゃんのたまごやき。
おじいちゃんの仕事場。
ニュース・競馬・時代劇。
おじいちゃんのバイクで、送り迎えしてもらって。
おばあちゃんと銭湯にもいった。
新聞をさかさまに持って、お向かいのおじさんに笑われたりもした。
楽しかった。
お父さんやお母さんがいなくても。
寂しい記憶が、ちっともない。
おもちゃといえば、トランプと花札。
賭け事はおじいちゃんに習った。
文鳥好きも、時代劇も、プロレスも。
それから、ハーシーのミルクチョコも。
おじいちゃんの与えた影響は、きっと大きい。

入院してから、初めてのお見舞い。
おじいちゃんは、静かだった。
歳をとると、透き通っていく。
そんな言葉を思い出した。
耳が悪く、喋りも上手くいかないおじいちゃんは。
それでも、はっきりと。
きてくれて、嬉しい。
孫に会えて、嬉しい。
そう、言ってくれて。
あと何回、会えるのかな。
できるうちに、孝行しておかなくては。

おじいちゃんは、とても生命力が強い。
死を望む今、それは只の拷問でしかなくて。
後数日の命、なんて冗談を言うから。
つい、がんばってね、なんて言ってしまって。
もう、いっぱいがんばってるのにね。
ごめんね、おじいちゃん。
だけどやっぱり、生きていて欲しいの・・・


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成瀬ルナ [MAIL] [HOMEPAGE]