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2005年12月17日(土) 若すぎるのは心配

スケートの15歳がオリンピックに出られないというのでニュースになってますね。個人的に興味があって調べてみたら、どうも「年齢制限」は、早すぎるプロ入りを制限するという意味もあるようです。

それで思いだしたのは、もう10年以上前になりますが、アメリカンフットボールのプロリーグであるNFLで、それまで4年生のみがドラフトの対象となっていたのを変更して、アーリー・エントリー、すなわち3年生でもドラフトにかけることができるという制度へと変わったのです。バスケットボールのNBAなどはもっとなし崩し的に大学1年生でさえドラフトにかけられるようになりました。

これにはアメリカの背景というものがあり、この2つのスポーツはバリバリ儲かるわけですね。だから負傷して選手生命を失う前に、自分を高く売れるうちにプロ入りしようというわけです。早くプロ入りすればそれだけ何億というお金がもらえるわけですしね。

ただ、この制度改革には賛否両論あり、大学を卒業する気がなくて、プロに入るための手段としてだけ大学に入ってくる人がいることが問題になりました。それでなくてもメジャー大学のなかには、卒業率が30%を切るというところもあるのですね。もちろん、それは選手側の問題だけではなく、大学側でも、とても大学の授業についていけそうもない人を強引に勧誘して、4年間はギリギリ家庭教師をつけて合格点をとらせるが(アメリカでは不可の科目があると試合にでられないのです)、選手として登録できなくなると後はほったらかしにしてしまうということがある。ゆえに卒業できずに除籍になる選手がでることになることがあるそうです。こういう実態があるために、選手も「文武両道」があくまで建前なんだってことに気づいてしまうのですね。

でも、アーリーエントリーしてもうまくいかない人は多いし、早速に致命的な負傷をしてしまう人もいる。そういう人は、もはや大学にも戻れず、またもとのスラムに戻っていくしかないわけですね。

日本じゃ、スケートでいくら有名でも、それで億万長者になれたりしないから、ここらへんの切実さはわからないのでしょうけど、おそらく大人の思惑にふりまわされて、心身ともにボロボロになってしまう少女がアメリカあたりではたくさんいるのでしょうね。まあ、いきすぎれば児童虐待みたいなもんですよ。

で、あのスケートの15歳の子をみていたら、身体付きなんかまだまだ子どもではないですか。世間でかわいいとかなんとかいわれてかつぎだされて、負傷してしまったらどうするのかって思います。グランプリとオリンピックの出場資格が違うんだから、オリンピックにも出られてしかるべきだろうという声もありますが、それをいうなら逆もいえるでしょう。

もちろん、本人はどんどん上のレベルでやりたいと思うのは当然のことで、それは叶えられたらいいなとは思いますけどもね。


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