I create you to control me
DiaryINDEXpastwill


2005年12月10日(土) 少年問題ネットワーク『つばき会議』

大阪で『少年問題ネットワーク』のオフ会。この会は3年ほど前、少年法の厳罰化が話題となったそのときに、本当にそれでいいのか、社会のなかでもっと少年問題を考えていかねばならないのではないかといった問題意識を抱えて出発したメールマガジン、MLである。

で、今回はとりまとめ役の方が僕の著書を見つけてくださり、この会での話題提供にと呼んでいただいたしだいである。準備など本当におつかれさまでした。ありがとうございました。

話題提供のときの司会は漫画『家栽の人』で有名な毛利さん。毛利さんは少年院でウクレレを教えるという活動をされているそうなのだが、今回もウクレレを持参していらっしゃり、僕も少し教えてもらった。いや−、あの『家栽の人」の作者に会えたうえに、ウクレレまで習えてこれだけでも来たかいがあったというもの。

オフ会には、結局40人くらいの方がお集りくださった。東京や九州からいらっしゃった方もいらっしゃった。で、先日だした本の中からすこしかいつまんでお話しする。後半の討論では、質疑応答だけではなく、いたるところで少年非行に関わっておられる方々がご発言になり、とっても充実した意見交換の場となった。暗くなるような少年事件ばかりが報道される今日この頃であるが、このように地に足をつけた活動を日本中でやっておられる方がいるということがわかってとてもエンパワーされた。

僕は、少年問題のなかで難しいのは、結局、施設の教育効果というところではなくて、施設から出た後に、どう地域に受け入れていくのかというあたりではないかと思っている。今回も、幾人もの人が、そのことについてご意見をだされていた。施設での教育には莫大な予算を使っても、その少年が施設をでて地域に戻るときに、それをサポートしてくれる人々はほとんどボランティアにまかされている。ボランティアにはボランティアのよさがあるのかもしれないが、もっとそのボランティアなり、地域で少年に関わっていこうとされる方々の力をうまくコーディネイトしていく必要があるんじゃないかな、、、と思った。

さて、毛利さんが私の発表へのコメントとしておっしゃったことがとても印象に残ったのでメモ(正確ではないかもしれません。僕の幻聴も入っているでしょう)。

「僕は作り話(漫画)を書いている。作り話はちゃんと整いすぎていると面白くない。だからズレを探そうとしている。松嶋さんは現実のなかにあるちょっとした会話のほころびから、ズレをみようとされている。それは似てるなと思った。」

「松嶋さんの話を僕なりにまとめると、それぞれ指導員も少年も、両親も、それぞれにそれぞれの物語を生きてて、その物語からなかなか抜け出せないってことなのかな」。


INDEXpastwill
hideaki

My追加