I create you to control me
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| 2005年09月01日(木) |
みんなやればできるんだ |
最近、鯨岡先生の『エピソード記述入門』を読んでいる。鯨岡先生が実際にやっておられるらしい実習などにも触れられていて参考になる。 ともかく本書では、エピソード記述というものが、誰にでもすぐにできるようなものではないし、統計処理などができないからやろうといったものではないということが強調されている。こういう書き方ができるのは、鯨岡先生が必死でエピソード記述の方法論の構築にとりくんでこられたという歴史もあるのだろうが、昨今の質的研究が流行っているという状況もあるのだろうなと思う。すこし前であれば、「こんなに面白いことができる」みたいな記述ではなかったか、と。
さて、あとがきをよむと一連の作品を著された頃、本に対する高い評価がよせられるのはもちろんのことだったが、同時にその方法論について「鯨岡先生だからできること」というほめ殺しをいろんな人からうけてきたのだという。そこで、それなりに複雑な心境であったことが綴られている。なによりも、自分の方法をとりいれている学生たちがそれで苦労しているという現実があったからよけいだったようである。
そういえば、と。それは名大で鯨岡先生が集中講義されたときだったが、初日だったか、鯨岡先生が「昨日、指導生から連絡が入りまして、論文が採択されたということなんです」と非常にうれしそうに語っておられたのをおもいだした。そのときは指導生の成功が余程うれしいのだなあと思ったくらいだった。のだが、このあとがきを読むと、そのことが鯨岡先生自身にとってもとても大切な出来事だったことがあらためてわかり、あのとき、あそこであのように発言された意味が多少ひろがったような気がしたのであった。
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