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2004年05月02日(日) A(ええ)人生

昨日は京都にいったと書いた。

京都駅の伊勢丹で藤子不二雄A先生の原画展みたいなのをやっていた。
各所でいっていることであるが、僕は『ドラえもん』が好きだ。いや、好きというのを通り越して、作者である藤子不二雄をなかば尊敬している。

もちろん、『ドラえもん』の作者は故F先生なのであるが、A先生もまたなんともいえない味がある。

白がめだつスッキリした画風のF先生に対して、ブラックでくっきりはっきりした画風のA先生は、夜は六本木でのみまくり、ゴルフ、マージャンが大好きという私生活とあいまってかなりダークな印象がある。

作品も、本人にまけずおとらずダークである。呪ったり、不条理に殺されたり、闇の世界を垣間見たりというようにまったくもって子ども向けではない。そんなわけで小さいころはもっぱらF先生のファンであった。

しかし、そのなかでA先生が藤子不二雄の半生をつづった『まんが道』だけはとても好きだ。というよりも、かなりこの作品には影響を与えられている。中学生になっても臆することなく「将来の夢は漫画家」と担任にいっていた僕は、この『まんが道』にはまりまくっていた。

ほどなく自分の実力のなさに気づいてさっさとあきらめてしまったのだが、当時は、将来、投稿することを夢みてマンガを書きためていたほどである。いまや、研究をして学会誌に投稿するというように形式はかわっているが、底にあるものはほとんどかわっていないのではないかと思っている。

たぶん、今、側にいたらかなり気持ち悪い中学生であっただろうね。

ところで原画展では、先生のたくさんの生原稿をみることができた。実際に印刷されて綺麗になった作品を読むのではわからないが、ペンの筆圧、下書きの鉛筆のあと、ホワイトのあと、他のページのコピーをきりはりした痕など、生原稿にはたくさんの「痕」が残っている。ああ、一枚一枚、こんなふうに書いていたんだなーと想像できる気がしてとても感動した。

かなり顔を近付けてシゲシゲとみてしまったが、今おもうと、これもまた、側にいたらかなり気持ち悪い大人であるね。

そういえば、場内では、原画を食い入るようにみつめ、時々、ぶつぶつ言い、スタッフのお姉さんたちにホントどうでもいいことを質問にいく挙動不振な青年(?)が何人かいたが、お姉さんたちは決まって「なにこの人」という、あきらかにひいた笑みをうかべていた。

それで、それがすごく面白いような、ちょっと哀しいような気分になったのをおもいだした。
















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