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2004年04月04日(日) 呪い

 「呪い」という言葉がぼくの周りではやっている。神戸女学院の内田樹先生が本の中でつかっている言葉だ。

 神戸女学院というと、大学時代、病院の実習が一緒だったあの子らも女学院だったなあ。僕が大学院にいったころにはもう結婚しちゃって、それ以来連絡もしていないんだけど。

 当時、実験系心理学の教室にいた僕は、どうしても臨床心理学がやりたくて、神戸女学院の生野照子先生という心身症や摂食障害の世界では有名な(と、後になって知ったんだけど)先生がやっている大阪市立大学の心療内科外来というところでメンタルフレンドをさせてもらったり、診察の陪席をさせてもらったりしていたのだ。

 先生はゼミ生をたくさんつれてきておられて、男ばかりの集団になれていた僕は、女学院という言葉の響きにクラクラきていたというわけである。なにせ男は僕1人であるから、かなり緊張した覚えがある。

 そんなことはどうでもいいや。「呪い」だ。呪いというのは、僕の理解したところ、他者から受けた影響のせいで、自分ではなんだかわからないが苦しんでしまうというようなものである。臨床心理学なんかだと、転移/逆転移にからめとられているような状況をさすのだろうか。
 
 自分がどうしてこんなことを考えてしまうのかがわからなくて苦しい時、「あ、そうだったのか」とその関係性自体を対象化してとらえることは役にたつ。例えば、僕はわりあい自分に帰属することで人間関係をのりきるタイプであるが、そのことに気づくとけっこう楽になるもんだ。

 ただし、気をつけなければいけないなと思うのは、呪いとは自分がテンタティブには心地よいと感じる関係性のなかにもあるということだ。常に自分が苦しみを感じるもののなかばかりに呪いがあるわけではない。自分がその場にのみこまれ、とかしこまれているだけかもしれないということには注意が必要だと思う。

 ところで、今日は1日家で原稿を書いていた。頼まれた原稿は現時点で3分の2くらいできた。どうせじっくり考えても良いアイデアがでるわけでもなく、どうせなら今日で一気書きしてしまおうということになった。自分でもよくできたと思うね。まあ、肝心のことはできてないんだけどさ。


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