2005年01月25日(火) |
「なんくるない」/よしもとばなな |
沖縄での物語。4つの話がはいっています。
私は沖縄に行った事がありませんが、一番最初の「ちんぬくじゅうしい」のオープニングの、
〜島の港が見えてきた。波は静かにきらめき、真っ青な海の色をきわだたせた。 夏が終わりかけているのに、真夏の光は全く勢いをうしなわずぎらぎらとおばあさんたちの 麦わら帽子の上に降り注いでいた。(中略) そんなにぎやかな風景なのに、全体が奇妙な静けさに覆われていた。〜
を読んで瞬間、すごく沖縄に行きたくなりました。
そして、どれがというと私はやっぱり表題にもなってる「なんくるない」が一番良かったです。 とくに主人公の離婚直後の、どうしようもなかった、しょうがないのだと納得しているはずなのに、 喪失感に愕然としている心境がとてもつらくて胸に残りました。 あとがきを読んだら、それは愛犬を失くした著者の気持ちだったとか。 それを思うと、ますます分かる気がしました。
|