縁側日記  林帯刀





2003年04月23日(水)  ミラー。


慣れすぎた道は、前の車にひきずられるように走る。
縁石とセンターラインの間。
車の幅より広いけれど、そこに遊びも見つけられず。
前のステーションワゴンがスピードを上げる。
アクセルを踏む。
ルームミラーに映るライトが少し小さくなり、
すぐに大きくなる。
ひきずられるように走る、何台かの。

確か2日前。
前を走っていたのはワゴンじゃなく原付だった。
町なかのちょっとした渋滞。
その丸いサイドミラーに、貼りつけたような空を見た。
僕は初めて、今日がまぶしいくらい晴れているのを知った。
「見える」と「見ている」は違うのだろう。
手をつないではいても、きっと別々の方向を向いている。

後ろを見ることはできなくても、
僕はあのサイドミラーがうらやましかった。


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