あの日と同じ光景に目を奪われたベランダの向こうは小さな林になっていて窓から樹々がてらてらと光っているのが見えるちがうのは前より緑が深くなったこと後からあとから出てくる涙は止まらなくて、化粧前に目が腫れるのはしかたないことだったわたしはまだなにかをうしなったままだ