ある音楽馬鹿の徒然カキコ♪...みゅう太

 

 

流行る風邪の中で思ったこと - 2007年03月08日(木)



インフルエンザと風邪が同時に流行っているらしい。
今の風邪は胃腸にくるタイプらしく、私の友人は仕事途中で早退し、病院で吐いた、と言っていた。

私もそこそこ風邪をひく人間だが「吐く」ということは滅多にない。この前吐いたのはハッキリ覚えているが、2000年だ。(汚い話で恐縮です)

それも風邪じゃなく、当時服用していた薬を私が勝手に止めてしまったため、体が禁断症状?…のような変な状態に陥ったのだった。


私にとって「吐く」という行為はひどく忌み嫌う、ほとんど恐怖と言っていいくらいのものだ。
トラウマと言ってもいいか。

私は小さい頃体が弱く、よく気分が悪くなることが多かった。
それと、私はそれ以上に乗り物…特に車に弱く、10分も乗れば確実に酔った。

具合が悪くなったり、車に酔えば「吐いて」しまう。
普通、人は吐けばスッキリするというが、私はその後確実に苦しくなった。体が引き裂かれ突っ張るように苦しく、喋ることも出来なくなり、それで更に苦しくなって吐いた。その悪循環。
脱水症状を起こし最後はグロッキー状態になった。

こうして書いていると思い出す!あの恐るべき苦しい時間。
私はそんなだったから遠足にはロクに行けなかったし、修学旅行は頑張って行ったが、いつも同じ状況に陥り、結局宿舎や乗り物でずっと寝ていてほとんど見学もできなかった。

家族旅行や親父の実家への帰省でも同じで、いつも醜態をさらし、親父には「お前みたいな情けない奴は見たことないっ!」と罵られた。

そう言われているうちに自分でも「こんなだらしない人間は世界で僕一人なんだろうな」と思うようになり、修学旅行の時看病してくれた保健の先生にそれを口に出して言ったら「自分をそんな風に言うもんじゃない」とひどく怒られた。


ひどいトラウマである。

しかしこんな少年でもどういう訳か、高校の時分に乗り物酔いは嘘のように消えた。
私は当時の友人のおかげだと思っている。私が酔うヒマもなく車中を楽しめるよう、皆で心を砕いてくれたのだ。その気持ちにうたれたのか、自然な体の成長過程のせいなのか、実はよくわからないが、おかげでアーティストと各地移動するようなことのある今の仕事でも、何事もなくこなしている。

考えてみれば、私のこれまでの人生を振り返って何かを「克服した」のはこれ一点ではあるまいか?

もっとも体はそんなに強くなっていないが、風邪をひいても、病気をしてもその後「吐く」ことは片手で数えるほどしかなくなった。
私の体が、あの頃を思い出すことを拒絶しているのかもしれない。







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