ある音楽馬鹿の徒然カキコ♪...みゅう太

 

 

リート好き - 2006年02月07日(火)




結構雪、積もりました。

今日は暖かくなるって言ってたので
すぐに溶けちゃうかな、と思いきや、
全然気温は上がらず。寒かった〜。


ところで日曜の「N響アワー」
(先日書いたブロムシュテット指揮のブラームスをやっていた。改めて感動。)
の後、「芸術劇場」で天下のメゾソプラノ、ワルトラウト・マイヤーのリサイタルを見ましたが、これまた良かった〜。

素晴らしく強く広がりのある声、
明瞭な言葉、
何よりも歌にこもる心。


私、ここに書いたことがあるかどうか覚えてないのですが、
音楽をクラシックに限定して
その中でどのジャンルが好きかといわれると、
実は歌が一番好き。


歌、といってもオペラよりも(オペラももちろん好き)
リート… 歌曲です。

自分も学生時代、よく歌いよく勉強しました。


でも多分、リートのリサイタルのことはあまり日記に書いた事ないんじゃないかな〜?
なぜならあまり行かないからです。

なんで行かないか、といえばあまり満足できないことが多くって。

私、リートになると自分がものすごく好きなせいか、
ちょっとやそっとじゃ「う〜ん?」となってしまう。

イヤな奴だな…。



私がなんと言っても好きで尊敬していたのは男性では
バリトンのディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ。

女性ではメゾソプラノのクリスタ・ルードヴィヒ。


私が音大生の時、2人とも既にかなり歳いってましたが
その晩年に(ってまだ生きておられます)両方とも3回くらいかな?
実演を聴けたのは私の幸せのひとつ。


そういう人に比べるとねえ、
(あとルチア・ポップやヘルマン・プライなんて人たちがよかったなぁ〜)
今も素晴らしい歌手はいっぱいいるのだけど、

それこそある一定の高い水準以上の歌手の数は
昔より多いと思うんだけど、
なぜかみんな聴きに行くと「よい…けど、まあこんな感じかな〜」
で私には終わってしまう。


有名どころでソプラノのバーバラ・ボニーやクリスティーネ・シェーファー、ドーン・アップショウも。

私は自分がバリトンなので、バリトンのリサイタルに行くことが、中では多いのですが
「彼こそがフィッシャー=ディースカウの後継者だ」と聞かされて、行って
何度「まあまあくらいかな…」とガッカリまではいかなくても
あまり喜べなかったことか。

オラフ・ベーア、アンドレアス・シュミット、ウィルフガング・ホルツマイヤー、
トーマス・ハンプソン、ボー・スコウフス、ディートリヒ・ヘンシェル、マティアス・ゲルネ…

トーマス・クヴァストホフとクリスティアン・ゲルハーエルだけはかなりいいかな、と胸躍ったけど。

この2人以外、どういうわけかフォルテで音が強くなると
みんな声の色合いに余裕がなくなって、どの言葉もどの感情もベタッとした単調な色しかでなくなる。場合によっては声が割れたりする。

ピアニッシモのささやくような部分はみんなすごく上手いのに。


それからいくと、先日のマイヤーは良かった!

彼女は実演ではオペラか、オーケストラのコンサートでしか聴いたことないけど。
ちなみに…
ワーグナーのオペラ「ワルキューレ」のジークリンデ。(バレンボイム指揮ベルリン州立劇場)
ベルクのオペラ「ヴォツェック」のマリー(同上)
コンサートではマーラー「亡き子をしのぶ歌」(シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団)
を聴きました。
あとあったかな?


これらはみんなすごく鮮明に覚えています。

テレビでの彼女も、同じ。


彼女のオペラ、特にワーグナーの第一人者である豊麗すぎるくらい豊かな声と
言葉の発音、ニュアンスの明瞭さが理想的にとけあって
どの歌もあるときは優しく温かく、あるときは辛く厳しく、
みんな胸に迫ってきました。
心震わせる歌。

ヴォルフの曲なんて懐かしかったな。
彼はほとんどリートの分野にしか作曲してないから
リートのリサイタルじゃないと聴く機会がほとんどない。


そんな私が今、ちょっと楽しみにしてるのは
春先に来日するメゾソプラノのアンネ・ソフィー・フォン・オッター。

今まで、かのカルロス・クライバーが指揮した
ウィーン国立歌劇場の伝説の来日公演での「ばらの騎士」でのオクタヴィアンや
ブーレーズが指揮した近代・現代音楽のガラ・コンサートでの
ラヴェル「シェエラザード」でしか聴いたことがなく
リサイタルは初めて。

彼女は声そのものこそ、それほど魅力的とはいえないけど
クールで知的な歌いっぷり、
詩的・神秘的な、彼女の精神そのものから漂うオーラいっぱいの歌は
やっぱりりリサイタルで聴きたいな、とかねがね思っていただけに
久々の楽しみです。






















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