2つのオーケストラ - 2005年11月30日(水) まだまだ忙しいです。音楽業界は。 忙しい分収入もいいといいのにね、 こんなに実入りの悪い業界あるのかしらん。 で、なかなか更新もままならないわけですが こないだから行ったコンサートが2つ。 ゆっくり書きたいけど駆け足で。 まずはサントリーホールで聴いたチェコ・フィル。 首席指揮者のズデネク・マカルの指揮で モーツァルトの交響曲第38番「プラハ」と マーラーの交響曲第5番。 去年もこの組み合わせで、彼らのお国もの、ドヴォルザークの「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」という宗教曲を心のこもった深々とした演奏で聴いたのだけど、今回のモーツァルトにしても、マーラーにしても なんというかな〜、気品がある。 特にマーラーの演奏に関しては、この作曲家がボヘミア地方の出身で、半ば自分たちの音楽である、という自負と、 実際にこの交響曲が隅から隅まで、マーラーの思いが自分たちの体の中に血となり肉となるまで演奏を重ねている、――つまり「伝統」だ―― が強く感じられました。 弦楽器の、精神がピーンと張った、だけど素朴さがにじみ出る音や、 金管の底知れない力をもった音が完全に均衡がとれていて、 やはりチェコ・フィルは大したものだ、と大いに感心しました。 そして土曜日にNHKホールで聴いたヤンソンス指揮バイエルン放送楽団は そのチェコ・フィルの感心を遥かに凌駕して、 こんなにまでオーケストラの音の素晴らしさに心酔したのは久しぶり。 奇しくも、去年同じ指揮者で聴いたロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団以来。 管・弦・打楽器、どこの奏者をとってもまるで凸凹のない腕利き揃いで 素晴らしく奥行きがあって、厚みがあって、柔らかくてどこまでも広がるあたたかい音。 微細なデリケートな音から爆発的な大音響まで どんなニュアンスでも自由自在、 精密無比だけど、決して冷たさのない、ぬくもりのある音。 どこかのパートがアンバランスに飛び出すなんてことは絶対になくって、どんな時でもパート間の均衡が完全に保たれてる。 この日やったのは ワーグナー「マイスタージンガー」前奏曲 プロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」 (ヴァイオリンは五嶋みどり。ファンの方には言うまでもないだろうけど、あの痛々しいくらい凄まじい集中力で満員の観客クギ付け。) ベートーヴェン「交響曲第7番」。 アンコールはブラームスのハンガリー舞曲第6番とビゼー「アルルの女〜ファランドール」というポピュラーなもの。 でも曲のよさを味わったのは言うまでもないのだけど(ヤンソンスの指揮だもの!) なにしろ、オケ!オケ。 オケの素晴らしさがまだ耳に残ってる。 もともと好きなオケだったのですけど 実演を聴くのはほぼ15年ぶり。 一緒に行った辛口のマイハニーも (↑よくよくのことでは満足しない) 今回ばかりはノックアウトのようでした。よかったよかった。 ...
|
|