久々にN響定期 - 2005年09月14日(水) ところでこないだの週末、 ようやくN響の定期公演に行ってきました。 やっぱ、久々のコンサートはいい!ほっとします。 2ヶ月ぶりの実演。自分の場所に戻った感じ。 ことに仕事じゃないと格別ですね。 ただ前半のモーツァルトはちょっとつまらなかった。 (セレナータ・ノットゥルノとピアノ協奏曲第23番K.488) なんというかな〜、 指揮者のピンカス・スタインバーグ(う〜ん微妙な名前) 振りはじめのオケからでてくる音で、 この人は相当な手錬れ(?)、いいキャリアを積んだ名匠だな、 ってことがわかる。 音楽がすごくいい雰囲気で鳴る。 でもそうだな、なんだろう?メロディーにウエイトが集中しすぎてて その下で鳴ってるヴィオラとかチェロの音が (しっかり指示してる割には)あまりくっきり聴こえてこない。 音楽が立体的に鳴ってこないというか、 なんとなく平べったくてムーディな雰囲気だけで終わってしまった感じ。 もっともこれは指揮者のせいなのかオケのせいなのか 私にはよくわからないけど みんながなんとなく、新鮮な気持ちでなく演奏してる感触。 それにピアノのコルネリア・ヘルマンが輪をかけて ・・・この人も素朴で虚飾ないい音楽をやろうとしてるみたいなのだけど つまらなかった。 私はこういう言い方好きでないのだけど よく人の言う「青い」という言葉がとてもしっくりきた。 まだこの果実は青くて堅い。 味わうには遠い、という感じ。 というワケで今日はトボトボ帰途につくことになるのかな? と思いきや、後半のベルリオーズ「幻想交響曲」は実に良かった。 すごく楽しかった。 この曲はデュトワの時代、N響が折に触れて演奏してたし 彼の十八番のひとつだから、私もなんだかんだ3回くらい聴いたか、 そしてその都度「さすが!」と感心してたものだったけど 今回のスタインバーグの指揮で久々に聴いて こういうロマン派にとっぷり浸ったような演奏でのベルリオーズが こんなに面白いとはね! たっぷりした弦楽器の音にのっかる鮮やかな管楽器。 (でもオーボエは問題だろう。もうそれを思って何年になるか) 第4楽章をあんなにテヌートしてひきずるような音楽の運びは (実演では)初めて聴いたし 第5楽章のグロテスクで表現的な、そしてベルリオーズ特有の 奇妙で刺激的なオーケストレーションを堪能してのは この前はいつだったか。 快感。 こうして秋のシーズン、はじまりました。 ...
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