何も聴かない耳 - 2005年07月21日(木) この間の連休に「ワンピース」を読んでいた時のこと、 アラバスタ編で(何の話をしているのかわからない方、ゴメンなさい。。。) 剣士ロロノア・ゾロが、全身刃物というMr.1と対決、窮地に陥った時 かつて少年時代、剣の師匠から 「何も斬らない剣。そういう剣が一番強く、鉄でも斬れる。」という そのまま聞いただけではワケがわからない話を思い出すところがある。 ゾロはいよいよ絶対の危機に追い詰められ、 そこでふいにとても静かな空間、 他に何も聞こえず、自分の心臓の鼓動ばかりがやたらバカでかく聞こえ、 そして相手の、周囲の呼吸がはっきりとわかる、という状態にたどりつく。 「これか!」と。 そして斬れなかったハズのMr.1が斬れたのである。 いわゆる無我の境地?というやつか。 しかしその感じ、なんとなくわかる。 あくまでもなんとなく、だけど。 私なんかもコンサートで、 それにもっともこれは、とてもとても優れたアーティストの演奏に限られるのだが 聴いているうちに舞台で演奏しているアーティストの周囲がだんだん静かになり、 …というよりその演奏だけ、「音楽」だけが耳に入るようになり そしてどんどん視野が狭くなり、アーティストだけが目に映り、周りは暗く何も見えない、といった状態に陥ることがある。 つまり自分の集中力がどんどん増しているのだ。 その演奏されている音楽の呼吸と自分が完全に同調し、 とっても自由に、深く広い海の中でゆったりと自由にいられる状態のような、 そんな静寂の中で曲の声、演奏者の想いがはっきりと聴こえ始める。 これは「そんな感じがする」「・・・のような」とかいうような漠然としたものではなく、 言葉でない「何か」がそこにある、見える。 不思議な時間。空間。 「何も聴かない耳」で聴く、という感じだろうか? なかなかないですけどね、そういうコンサート。 でもそういう境地を与えてくれる音楽の達人、というのは 確実に何人かいる。 ...
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