引き出す力、引き出される力 - 2005年06月08日(水) 先週末、またN響定期へ。 若手急上昇株、パーヴォ・ヤルヴィの指揮はますます素晴らしく、 オーケストラは輝かしく、そして引き締まり 硬軟自由自在という感じ。 そして何より意志の強い「何者か」が まっすぐ胸に響いてくる。 ラフマニノフの「交響曲第2番」は 二流、三流の指揮者が振れば 陳腐な、安手のおセンチな映画音楽のようなものに聞こえかねないけど 今日は違いました。 高貴でさえありました。 最近の若手は 私の好きな準メルクルやアラン・ギルバート、ファビオ・ルイージなど 聴きに行く度にワクワクさせてくれるけど パーヴォは今やメルクルを抜き去ったかな。 そして最大の発見!!(今さら遅いと言われそう) シューマンのチェロ協奏曲を弾いたトゥルルス・モルク。 この人はもうかれこれ10年も前から随分有名な存在だし、 数年前のN響コンサート・ベストテン・ソリスト部門の上位(1位だったか?) をとってるのに私はまだ実演を聴いたことがなかった。 大器晩成というか、 クラシックではよくある大器晩認(?)という感じですかね。 最近はCDもよくでるようになったし、 人びとの話にもよくのぼるようになった。 最初の一音から胸に染み、心が張り裂けそうな切ない気分、 そして確固とした品格が響く。 チェリストというのも最近はゴーティエ・カプソンだとかジャン・ギアン・ケラスだとか マリオ・ブルネロ、ピーテル・ヴィスペルウェイ… なんだかチェロ・ルネッサンスのように素晴らしい人たちが続々出てくるこの頃だけど 数年前やっと聴けたミクローシュ・ペレーニ(この人も相当のベテランだけど)と並んで 私にとっては早くもチェロの双璧。 それにしてもパーヴォに引き出された、この時のN響の力は本当に素晴らしかったです。 この数日前に聴いた、ありあまる力を感じさすのに、 不発におわってしまったフィラデルフィア管弦楽団とは対照的でした。 ...
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