グルダを楽しく想い出す会 - 2005年01月28日(金) ホットなコンサートとは 火曜日に行った「グルダを楽しく想い出す会」と名づけられた 女王マルタ・アルゲリッチのピアノ協奏曲のコンサート。 去年チラシを見た時、なんでここでグルダなのかな?と思ったけど 考えてみれば彼女は若い頃ウィーンでグルダに学んでいたし、 彼が死んだ時、すぐお葬式に駆けつけた記事なんかも見たことがあったから 情に篤いアルゲリッチならではの行動なのだな、と思った。 (当日買ったプログラムにもそのへんの彼女の考え方と行動が書かれていた。) 前にも書いたけど、私はグルダが大好き! 学生時代からグルダは私の憧れで、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ曲の勉強には グルダのCDがなくてはならなかった。 そしてこのコンサート、グルダのチェロ協奏曲ひとつを除いては (ゴーティエ・カプソンが素晴らしく弾いた。この曲、ウィーン風のクラシックとジャズとポップスが融合した楽しい曲で、人によっては恥ずかしくなるような“古き良き”懐メロ?ポップスのようで、でもすごいポジティヴなエネルギーに溢れてる。私はこんなグルダの音楽がまた大好き。) 全部モーツァルト。 私の行ったサントリーホールの公演は、 グルダの2人の息子パウルとリコが「2台のピアノのための協奏曲」を弾き、 (前に彼らを聴いた時よりはるかにいいピアニストになっていた。) 若き俊才ルノー・カプソンが「アダージョ」と「ロンド」を。 そしてグルダのチェロ協奏曲。 後半にいよいよアルゲリッチ登場で「ピアノ協奏曲第20番」だった。 これは凄かった! 何度聴いても彼女は凄い。なんだってあんなに幻想的に音が響いて、直接聴き手にものを言うみたいに強烈に訴えてくるのか。ああ音楽が大地から生まれる如く自然に息づくのか。 彼女はモーツァルトだけはニガテなのらしい、と今までの経験で思っていたけど (実際グルダもそう言っていたらしい。) 今回はそうではなかった。情熱と夢が交錯しながら透明感あふれるモーツァルトだった。 これには新日本フィルを指揮するアルミンクの力も大きかったかもしれない。 (アルゲリッチの出番では、ナント!ルノーとゴーティエがオケのトップに座って弾いていた。) このコンサートを通じて、彼の指揮するオーケストラがとてもよかった。 ああ、やっぱり彼もウィーンの人なのだなぁ、と感じさせる 流れこそキビキビしているけど、スタイルの的確さ、ひとつひとつのフレーズのふくよかさ、あたたかさ…。 それがとてもこういう楽しい会にふさわしい雰囲気を生み出していた。 かつて聴いたグルダの素晴らしく高揚した、幸せいっぱいになったコンサートを思い出した。 グルダも天国から「ようマルタ、やってくれたな!」と喜んでいるんじゃないかな。 ...
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