さあN響の新スタート! - 2004年10月18日(月) 先日、久々に(でもないか) N響の定期公演に行った。 いよいよ新・音楽監督ウラディーミル・アシュケナージの 就任記念コンサートだ。 一緒に行ったマイハニーが 「へぇ〜〜! N響がこんなに上手くていいんかい?できすぎできすぎ。」 と言っていたが、まじ良かった。 彼女は日本のオーケストラなど下手っぴなもんで やっぱ外国のオケでしょ、輸入ものでしょ、 って日頃思っているから、かなり驚いたらしい。 これはマイハニーをバカにしてるわけでも何でもなくて 私のような、また私がよくお邪魔するサイトの数々を運営してらっしゃるような ごくごく少数の熱烈音楽好きをのぞけば みな、そのようなものだ。 そういう偏見、というか信仰は根深い。 それには私たち音楽関係者のやり方や物言いに大いに問題があるのだと (もちろん演奏家の方々にも。恐れながら。) 反省したい。 ま、それはともかく。 アシュケナージがN響の音楽監督になる、 というのは前々から書いていた通り、 私には大いに心配だったが … というのは繰り返すが、アシュケナージ、という 当代を代表する音楽家、 殊にピアニストとしては現代最高の一人、として君臨するアシュケナージに 不安を抱くなど、随分な話だが 彼の指揮者としての能力、 そしてオーケストラのトレーナーとして、 また音楽監督という、プログラムや年間を通しての出演者などを決定していく 運営能力を考えると「大丈夫かな?」と思わざるをえないのだ。 実際、彼が今まで歴任してきた ベルリン・ドイツ交響楽団やロイヤル・フィル、 ついこの前のチェコ・フィルとの活動などは随分冴えない結果となった。 で、先日のコンサート。 曲はシューマンのピアノ協奏曲(ピアノはエレーヌ・グリモー。美人という上に素晴らしいイマジネーション豊かなピアノを弾いた。私は大いに見直した。) とR.シュトラウス「アルプス交響曲」。 マイハニーが言ったようにとても良かった。 特に「アルプス交響曲」などとても鮮やかで 「この曲、こんなに豊かな中身をもった曲だったかな?」 と思ったほど魅力的に響いた。 N響の響きには、彼の美質の ヒューマンな温かさと、彼のピアノに聴かれるような感覚的な艶っぽさが 確かに聴こえて、とても心地よかった。 見ていて、技術としてはとても器用とは言い難い指揮ぶりだったが、 そのせいだろうか、 それより彼の高い音楽性や、真剣で、音楽に真っ向から向かおうとする 姿勢にうたれているのだろうか、 いつにもましてN響のプレイヤー達が一生懸命で 集中力を高めている様子が見てとれたし、そう聴こえた。 昨日NHKで放映されたN響アワーでの ベートーヴェン「運命」でも同じような様子が感じられたが 本当によかった、と思う。 でも私は貧乏性なのかなぁ、 今までにも色々な音楽家の行く末を見ているだけに まだ数年聴き続けないとわからないな〜 とまだ手放しでは喜べないのだ。 ...
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