北の国のオーケストラ - 2004年09月29日(水) 超忙しいけど 書きたいこともあるので、駆け足で。 先日、マイハニーのお義母さんが来京していて お義母さんは特にクラシック音楽を好き、ってわけではないのだが 私がこういう仕事をしているせいか 「何か東京のいいホールでクラシックでも聴いてみたい。」 と言うので、何かないか調べたところ 日曜日にサントリーホールで アラン・ギルバート指揮のロイヤル・ストックホルム・フィルのコンサートがあった。 これは良さそう、とそれに決めた。 素晴らしかった。 アラン・ギルバートは数年前にN響の定期で聴いたが 順調な成長ぶり。 彼は何と言うか、とってもトータルが優れた指揮者。 よく、例えば相撲で「心・技・体の調和」という言葉を使うが 彼にはこの言葉がピッタリくるような気がする。 心 … 音楽への真剣で誠実な姿勢 技 … オーケストラのために指揮者として何をするか、がよくわかっていて、 「ここはこういう音楽だからこのフレーズをこう弾く。」 「他の楽器の音をよく聴き、どんな音量バランスで、どう他の人から音を引き継ぐか。」 など合奏の基本のキをよくトレーニングし、本番でも的確な指示を出してみせる。 体 … 彼はカラダがデカイ。 それは半分冗談として、この場合は「耳」 たくさんの音を的確にさばいて整理してかたちにしていく耳。 そしてその曲の内容を的確に感じ取る耳。それは心に直結する。 聴きながらこんなことを強く感じた次第。 若い世代の指揮者では(ダニエル・ハーディングのような鬼才?はさておき) 準メルクルとこのギルバートこそが 私には信頼できる指揮者の双璧だ。 さすが、今や名だたる欧米のオーケストラにひっぱりだこで ニューヨーク・フィルの後継者候補に名を連ねているだけのことはある、 と超ナットクした。 オーケストラも、北欧のオーケストラ特有の涼しげでキレイな音。 そして、ブルックナーの交響曲「ロマンティック」では キレイだけでなく腹の底からトドロキわたる重低音を出していた。 一生懸命「音楽」するいいオケだった。 (ホルンにとてつもなく上手いプレイヤーがいた!) いわゆる朝比奈さんやヴァントみたいな「ブルックナー指揮者」の指揮する 遅くて悠然としたブルックナーとは違い 早めで、フレージングの歯切れのいいブルックナーだったが とっても自然で、豊かな鮮やかなブルックナーだった。 今日になってもまだ、頭の中に鳴っているくらい。 あと、最後になったがモーツァルトのピアノ協奏曲K.488を弾いた 梯剛之くん。 彼も4〜5年前に聴いた以来だったが 随分たくましい音楽をやるようになった。 澄んだ美しい音は相変わらずだが 幅や厚みが別人のようで、 あれだけの障害をもちながら、ああいう明るく溌剌とした音が出せるなんて 素晴らしいことだ、と素直に思った。 ・・・全然駆け足じゃないな・・・ ...
|
|