ある音楽馬鹿の徒然カキコ♪...みゅう太

 

 

はじめてのヨーロッパ その1 - 2003年04月10日(木)

昨日はつまんない愚痴日記をかいてしまって、本当にすみません。
こういうところにああいうことを書くことになろうとは、かつては考えもしませんでした。
でも書くことでスッキリする・・・ということもさることながら、自分の中にどんなものが渦巻いているのか、ということを知ることができるのですね。
どうか大目にみてやって下さいませ。

さて一昨日、亀山さんのことで初めての海外旅行のことを書き、私の中にはその時の記憶が猛烈に蘇ってきました。
それはもう抑えがきかないくらい、体の中を吹き上げてきましたよ。
しまってた写真まで引っ張り出したりして。
そうしたら当然のことながら、ますます、です。

10年も前になってしまうのが信じられないんですが、あれは最初単なる旅行目的じゃなかったんですよ。

私のかつての同僚で友人Uが当時あるドイツのソプラノ歌手のアテンドをしてまして、その歌手がUと意気投合してしまって、自分が出演するバイロイト音楽祭のチケットをくれるというんですね。

バイロイト音楽祭!・・・音楽家、音楽好き、それはありとあらゆる音楽に関わる者が一度は行きたいと夢見る、ドイツの小さな街バイロイトで行われる音楽祭。
8月にワーグナーのオペラだけを上演する、ワーグナーが自ら設計した劇場でワーグナー自らが始めた、150年以上も続いている世界最高のクラシック音楽祭のひとつ。
今もオーガナイズしているのはワーグナーの孫。
ここにはシーズンオフでありながら、ワーグナー命!と意気込む指揮者、歌手、そしてドイツ中のオーケストラプレーヤーが休み返上で終結します。
日本でもこの音楽祭の模様は年末の夜中、毎晩NHK−FMで放送されるのですが、私は学生時代からそれを聴くのが楽しみで、ホントに「いつかここに行けたら・・・」と夢見てました。
音楽関係の人間にとってはバイロイトは「聖地」というべき場所です。

友人Uは私がバイロイトに行くのが夢だと知ってたし、彼も無類のワーグナー好きだったので(あまりクラシック全般は聴かないクセに)
「おい、2枚くれるらしいんだけどみゅう太、まじ行くか?」
「ホントか、ホントに行けるのか?? 行くよー。行くに決まってんじゃん!!」

というワケで2人で行くことになったのです。

しかし私は外国に行くのは初めて。
それに英語も当時は全然おぼつかない状態。
かなり不安でしたね。
でもUは英語堪能。CNNニュースを副音声で聞いたり、高校時代からFENのラジオ放送を聞けた、という強者。
こやつはすべてにおいて面倒臭がりやで仕事もそこそこにしかしない、大学もやる気なくて中退、ていう奴のくせに好きなことに関してはスゴイ男。
(ある意味私と似ている。)
「まあ、こいつと一緒なら大丈夫か。」ととりあえず安心していました。

パスポートを取得し、飛行機も貧乏な2人はアエロ○ロートを無事予約、バイロイトの宿はそのソプラノ歌手がとっててくれる。
2週間のヨーロッパ滞在のスケジュールで(「ニーベルングの指環」だけで1週間かかりますからね。)フランクフルト到着、ウィーン出発。
私は何だかわからないけどとにかくスーツケースを買い、「引越しすんのか?」と思うほど色々な生活用品をそこに詰め、そうそうダークスーツもバイロイトには必要だよ、とそれも詰め、準備万端。
さあ、ワクワクドキドキで三日前だーーー! という時、事件は起きました。

Uが神妙な顔はしてるもののたんたんと、
「おい、みゅう太。彼女、出演キャンセルするんだってよ。」
「は? てことはどうなるの?」
「チケットくれないってことだろうな。」
「・・・・・・・・。なにーーーーっ!!!!」

どうすんだ!? 飛行機のチケット、キャンセルもうできないぞ。(そういうシステムの格安だったから)休みもバッチリとってるし。
U「行くしかあるまい。」
私「行ってなにするんだよ。チケットゆずって、とかプラカードだすのかよ?」
U「そんなの無理だ。もうバイロイトは行かないでヨーロッパ旅行にすればいいだろ。」
私「え〜!」
U「おまえ、ヨーロッパ行ったことないんだろ?音楽やってる人間がヨーロッパ行ったことない、でいいのか? じゃいいじゃねーか。」
私「まあ、そう言ってしまえばなぁ。」
U「そうしろ、そうしろ。俺も久しぶりに行きたいとこあんだよ。」

強引な奴です。ホントはデリケートな性格のクセに。

というワケで私の初のヨーロッパ旅行となったのです。
《つづく》


続くのか!!?
それもまだ始まってもいないじゃねーか (_□_:)!!



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