ある音楽馬鹿の徒然カキコ♪...みゅう太

 

 

病んでいる現代に - 2003年04月02日(水)

いや〜、ちょー面白くってちょーすごいテレビドラマ見つけましたよ!
ビデオに録っててやっと見ました。
それは・・・

『池袋ウエストゲートパーク』

すみません・・・(T_T)
知ってる人はみんな知ってますよね。

今、ひっぱりだこの人気脚本家(っていうか何が本業なんだろう?この人)
クドカンこと宮藤官九郎が脚本書いて、TOKIOの長瀬智也が主演、きたろうとか阿部サダヲとかひとクセある役者が脇を固めてるドラマ。
窪塚がヤンキーで、妻夫木くんとか坂口憲二がヤクザやってたりする。
3年ほど前に本放送やったのかな?
今回はそれのスペシャル版。
私はナゼかその時見てなかったんですよね〜。

クドカンの作品は去年かな?『木更津キャッツアイ』で初めて見て、ショックっていうか「こういうシュールな作風でドラマ作る人がいるんだ!」と半ば感動してたところ。
これ、今DVDがものすごく売れてるらしい。
それ以前にもクドカンは同じようなものを作ってたんだ!!
なんで知らなかったかなぁ〜〜、私。

・ ・・で『池袋ウエストゲートパーク』。
『木更津・・・』の方もそうなんだけど、とにかく脚本・演出ともにとことんふざけててシュール。
これでもかっ、てくらい細かいところまで凝りに凝って笑わせてくれる。
何かのパロディーだったりしたり。
色々気がつけば気が付くほど笑える。ある意味マニアック。
そしてその笑いは「乾いて」る。とてもドライ。
ほとんどワケわかんねー、ていう域。

でもその底に流れてるのはとてもキチッとした筋の通った話だし、見ていてかなり心に食い入ってくることが多い。
ある種の悲しみすら感じるくらいです。
今回も(見てない人のために話は言えないけど)ちょっとゾーッとするような話だし、色々なことを考えさせられる。
笑いを被っているけど、中身は真剣。
それこそ魂からの叫び、なにかから逃れたい、そんな痛切なものを感じる。

クドカンさんにこれ読まれたら「そんな大仰なモンじゃないっすよ〜」と軽く笑われちゃうかもしれないけど。
でも大見得きって「テーマは愛ですっ!」なんて言ってやってるドラマ(そんなのあんのか?)よりはるかに心に染みるよ。

こういうパロディー調とかふざけた外見で悲痛なものをアイロニカルに表現する、っていう傾向は、芸術の歴史を振り返ると実は20世紀初頭からあるんです。
音楽でいうと、まずマーラーの音楽。
そしてこないだちょっとふれたショスタコーヴィチの音楽。
彼らは「もう素面じゃ何にも言えないよ、」とばかりアイロニーの仮面を被ってチンドン屋みたいな響きを作ってみせたりする。
こういう今までになかった「言葉使い」で表現の新しい局面を開いた人だちだ。
それをもってきっと辛く苦しい20世紀を生きてきたんですねぇ・・・

映画でもそういう監督いますよね。
う〜ん、でも今なんだか思いつかないな。

ところでドラマの中でまさしくマーラーの「交響曲第5番」の一部が使われてて、ちょっとびっくりした。
けど、これは偶然。っていうか多分伊丹十三さんの「タンポポ」(これにもマーラーの音楽がたくさん使われてた。)のパロディなんでしょうけど。
見た人はわかる、と思う。  (o ̄∀ ̄)ノ



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