あおい世界
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2017年03月15日(水) |
本■県庁とボーイズ、王と呪い。 |
桂望実さんの初期の作品を2冊。 まずは 『県庁の星』。 県庁でエリートコースを歩んでいたはずの主人公が、 民間企業に1年間研修に行くことになったものの、 派遣先のスーパーは、保健所から何度も警告を受けていて、 やる気のない店員やパートに役人気質は嫌悪されるという最悪の環境。 そんな中、少しずつ変化する主人公と周囲の人たちの関係が、 経営難、営業差し止め寸前という危機を乗り越える話でした。
次は 『ボーイズ・ビー』。 母親を亡くして間もないのに、 消防士という多忙な父親の代わりに、 6歳下の弟の面倒をみている少年と、 孤独で頑固で人嫌いの年老いた靴職人が出会い、 打ち解けていく様子が描かれています。 主人公の少年が弟の手前、弱音を吐くこともできず、 一人で何とかしようと葛藤している姿に、 人嫌いのはずの老人が自然に受け入れることにより、 結果、お互いの相乗効果によって周囲も変化していきます。 人は一人で生きているわけではない、 年齢も環境も関係なく影響を与え合っているもの。 そんなことを考えさせられる物語でした。 途中、頑張りすぎている少年が切なくなりましたが、 最後はほのぼの、良かったと思える内容でした。
次は、池井戸潤さんの新作 『陸王』。 今度はどんな王様が出てくるのだろうと思っていたら、 陸上競技のシューズの話でした。 それも長距離、駅伝用。 シューズも奥が深いものですね。 ましてや選手がスポンサー契約を結んでいるとなると、 単純にいい商品だからと簡単に他に飛びつくわけにもいかなかったり、 成績が悪ければスポンサーが離れたり。 その辺が、上手に物語として表現されていたと思います。 だんだん周囲の気持ちが緩和されたり、成長したりして、 一つになっていくという見どころは同じとはいうものの、 そこが読んでいて気持ちいいところなんですよね。
最後に、J.K.ローリングの 『ハリー・ポッターと呪いの子』。 これは、舞台の台本仕立てになっていたので、 最初読みにくいかなと思いましたが、 どんどんハリーの世界に引き込まれ、 読みにくさを感じさせずに読了しました。 シリーズが終了してからの18年後、 ハリーが40歳という設定で、次男のアルバスが大活躍でした。 もちろんハリーたちも親世代として登場しましたし、 ハリーの親友がロンだったように、 アルバスにも親友ができるのですが、それがあの人の息子とはね。 今後ストーリーが続くのか楽しみです。
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