あおい世界
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父は元々、喜怒哀楽が激しいタイプではなく、 無口ながらも、いつも変わらぬ穏やかさを漂わせている人でした。 そんな父がポロッと冗談を言ったりして、 周りを驚かせたりすることもありましたし、 退職してからは明るい面がどんどん増えてきたし、 大好きな庭仕事や野菜作り、母と出掛けることなど、 人生を楽しんでいるように見えていました。
しかし、ここ1年。 そう、ここ1年の間にどんどん変化してしまった父。 それは決していい変化ではありません。
昨日の夕方、急遽残業になってしまい、 桜と桃のお迎えの時間ギリギリまで様子をみていたものの、 間に合わない時間になってしまったので実家に電話をしました。
電話に出たのは父でした。 母は出掛けていたのです。 父に事情を話し、桜と桃のお迎えを頼みました。
父に頼んだ10分後、仕事にケリが着いたので、 児童クラブの先生に学校の駐車場で待つようにと伝えてもらいました。
3人が車の中で待っているところに到着したあたしは、 すぐに父の元へ駆け寄り、すごく助かったと話しました。 桜と桃にも、じーじにお礼を言うように促したりしたのですが、 父は、ずっと無表情のまま。
言葉では、 道路凍っているから気をつけて帰りなよ。 と言ってくれたものの、 以前の父なら、桜や桃に対してニコニコ顔で、 じゃーね。風邪ひかないでね。 などと声を掛けてくれるはずなのに。 あたしたちが話しかけても、正面を向いたまま無表情。 桜と桃に車の中でじーじと何かお話をしたのかと聞いてみました。
どうしてここで(駐車場で)待っていなくちゃいけないの? ってじーじに聞いたけど、返事してくれなかったよ。 もう一度、聞いたけど、答えなかったんだ。 だから、もーちゃん、まぁいいやって思ったんだー。
数日前、二人にはきちんと話しておいたんです。
最近のじーじは、耳が聞こえなくなっているから、 じーじとお話する時は、ちゃんと顔を見て大きな声でゆっくりしてあげてね。 話しかけても聞こえていないなぁと思ったら、 そばに行ってじーじに手を当ててから話すんだよ。 あとね、じーじは耳が聞こえなくなってきただけではなく、 とっても忘れっぽくなってしまったみたいなの。 だから、同じことを何回聞かれても、同じように何回でも優しく答えてあげてね。 じーじね、悪気でもわざとでもないのよ。 年とったせいで、そうなっちゃったのよ。。。お願いね。
二人とも神妙な面持ちで聞いてくれました。 話が平行線だったり、話し掛けても無視されることが今までもあったので、 納得して聞いていたのでしょう。
桃は保育所のお友達のおじいちゃんも耳が聞こえない人がいると話していました。 保育所でお互いのおじいちゃんの話をしているなんてちょっとびっくりですが、 お年寄りと接触することは悪い事じゃないはず。 これからもちゃんと理解していけばいいだけのこと。
あたしも、そんな父を目の当たりにして、 寂しい気持ちとは別に、きちんと受け入れていかなくてはいけないことを痛感します。
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